第11話 逢“魔”時(2)
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ね……」
「こっちです、僕はここにいます」
なのはの足元に視線を向ける。そこには一匹のフェレットがいるが…
「こ、こんばんは……」
「えぇ! な、なのはちゃん、この子喋ってる!」
「にゃはは…、ユーノ君って言って、違う世界から来たとか何とか……」
「! そ、それってもしかして――」
“違う世界”という言葉に身を乗り出し酷く喰いついたすずかだったが
「それより、今はあの化け物――ジュエルシードモンスターをどうにかしないと! なのはさん、これを持って!」
ユーノの声がその追求を遮った。そしてなのはの手に自身の首にかけていた宝石を乗せる。
「あたたかい……」
「そのまま、僕の言う事を繰り返して!」
それを聞いて、ユーノの言葉を聞き洩らさまいとなのはは目を閉じた。
一方自分にとっての大事な事を無視された事に、悔しそうに顔を歪めるすずかだが、目の前の化け物―――ジュエルシードモンスター―――をどうにかしないといけないのは分かってしまう。
大人しい性格も災いし、その場は身を引いてしまった。
その間もなのはは目を閉じ、可能な限りユーノの言葉を聞く以外の事を意識から除外しているため、親友の姿を見る事は出来なかった。
意識を可能な限り集中し、そして、その言葉を紡ぎ始める。
「「我、使命を受けし者なり」」
「「契約の元、その力を解き放て」」
ドクン、ドクン、とユーノの言葉を繰り返すたびに手に持つ宝石が鼓動を強くする。鼓動に合わせ、握った手のひらから宝石から淡い光が溢れだしてくる。
「「風は空に、星は天に」」
「「そして、不屈の心は」」
「「この胸に!」」
「「この手に魔法を! レイジングハート、セットアップ!!」」
『Stand by ready? Set up!』
言葉を唱える終わるとともに、巨大な光の柱が天を衝き、曇天の雲を吹き飛ばす。
それほどまでに圧倒的な、けどどこか温かみを感じる桜色の光の柱がなのはを中心に生じた。
傍で見ていたすずかとマハカーラは突然現れた光に驚き、眩しすぎるそれから目をそらす。
遠くで化け物を相手にしていた純吾とリリムは呆然とそれを見る。意思を全く感じさせない化け物でさえ、その動きを止めていた。
やがて、光が収まる。光の中から現れたなのはの服は聖祥の制服に似ていながらも、どこか気品あふれる純白の下地に、青い縁取りを随所にこらしたものに変っていた。
更に何の力が働いているのかは分からないが、彼女から淡い光が漏れている。
純白の衣装もあいまり、その光によって彼女の姿を夜でもくっきりと浮かび上がらせていた。
「綺麗……」
「闇夜に一点、曇りな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ