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ドワォ青年リリカル竜馬
第1話:再臨のゲッター
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ていない部屋の襖を開け放つ。
 竜馬は部屋に入り、丁度部屋の中央に位置する木の床を勢いよくひっくり返して開けた。
 床下には金属でできた箱がぴったりと納められており、竜馬はそれを床下から持ち上げて取り出すと、箱の側面に付いた0から9までの数字が記された10個の小さなボタンを一定の順序で素早く押す。
 すると電子音が鳴り、箱の鍵の外れる音が聞こえた。
 竜馬は鍵が開いたのを確認すると、黙って箱の蓋を開ける。箱の中は紫色のクッションに埋め尽くされ、その中心には緑色の六角形の宝石が安置されていた。

「また、お前の力を借りる日が来るとはな…」

 竜馬は懐かしそうに呟いて宝石を掴むと、開け放たれた床や箱を放り出したまま部屋を飛び出し、今度は四天王と借金取りたちが戦っている正門へと走り出す。

「お前ら、どけぇ!」
「し、師範!?」

 四天王のスキンヘッドは突如現れた自身の師匠に驚きを露わにし、借金取りと戦っていて驚きを隠せないにも関わらず、すぐに竜馬の通る道を開ける。

「師範、どちらに!?」
「ちょっとした野暮用だ、すぐ戻る!」
「コラァ流ェ! 今日こそは金返してもらうからなぁ! 野郎共、追え!」

 竜馬は門前に大挙する借金取り達の間を縫うようにして走り抜けると、そのまま麓の街へと向かって坂道を走り続ける。
 それを見た借金取りたちは竜馬を捕らえようと、その後を追って同様に走り出した。

「ええ…っと、お、俺達も行こう! 師範をお守りせねば!」
「お、おう! 巨漢、忍者、留守を頼む!」
「し、承知!」

 一連のドタバタを見て唖然としていた四天王たちだったが、なんとか我に返ると巨漢と忍者に鳥竜館の留守を任せ、青年とスキンヘッドが竜馬を追う役目を負うこととなった。

「二人共、師範を頼んだぞ…」
「…しかし巨漢よ」
「うん?」

 四天王の忍者が巨漢に話しかける。

「我らの名前、巨漢だの忍者だのスキンヘッドだの…こんなことでいいのか?」
「よくはないだろうが…原作で我らの名前が出てなかったのだ、仕方があるまい」

 若干メタフィクション的な内容の会話をしながらも、残った二人は門をくぐって鳥竜館の中へと入っていくのだった。
















「ちっ、こいつはひでぇ…」

 山から下りた竜馬は、変わり果てた街の様子を見て呟いた。
 コンクリートで舗装された、税金の塊とも呼べる道路は巨大な樹の根によってズタズタに引き裂かれ、いくつかのビルなどの建造物には樹の枝が巻き付いて半壊し、盛り上がった樹の根によって打ち上げられたらしい乗用車は落下の衝撃で大破している。
 これだけの大規模な災害だ、かなりの数の死傷者が出ていてもおかしくはない。だが
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