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リリカルってなんですか?
無印編
第二十二話 裏 後 (なのは、クロノ、プレシア、リンディ)
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に向かったよっ!!』

 その言葉に首をかしげる部隊長。アースラに最初から全戦力を投入することは決まっていたことだ。故にアースラに残っている戦力はないはずだ。だが、エイミィが嘘を言っているようには見えない。どういうことだ? とは思うが、答えはすぐに現れた。

 それは、武装隊が突入のときに蹴破った扉から悠々と現れた。まるで影のように黒い衣服―――否、バリアジャケットに身を包まれ、栗色の髪をツインテールにした一人の女性の姿。その左手には、その黒と赤い文様からは想像もつかない桃色のデバイスが握られている。

 彼女の姿を捉えたとき、部隊長の心臓がドクンと大きく震えた。

 彼女を視界にいれる。ただそれだけで、部隊長の体が彼女から淡く発せられる魔力の圧力に恐怖を覚えていた。

 突然の乱入者に最初に反応したのは傀儡兵たちだ。武装隊の面々に襲い掛かる前に後方で待機していた傀儡兵たちが一斉に襲い掛かる。一気に五体。武装隊の戦力で言うなら十五人分の戦力だ。それは百二十五人の部隊を率いる部隊長をもってしても、負けてしまうほどの戦力だ。だが、それを黒い乱入者は一瞬で蹴散らした。

 何が起きたか部隊長には分からなかった。傀儡兵が襲い掛かったと思った次の瞬間には、襲い掛かった五体の傀儡兵は、ほぼ同時に粉々に砕け散っていたのだから。

 どうなってやがる? と度肝を抜かれている部隊長を余所に黒い乱入者は、広間を見渡すと一言何かを呟いていた。口の動きから読み取れた言葉は二文字だった。

 ―――邪魔。

 その言葉の意味を理解したとき、部隊長の口からは全前線部隊にむかって、下がれっ! という命令を出していた。

 直後、乱入者の周囲に無数のアクセルシューターが展開され、広間を縦横無尽に桃色のアクセルシュータが走り回る。それらは、傀儡兵を貫き、穿ち、粉々に粉砕する。

「隊長っ! これは……」

 状況についていけない部下が尋ねてくるが、それは自分が知りたい事実だった。だが、一つだけ確かな事があった。

「助っ人だそうだ」

 そして、その助っ人とこの圧倒的という言葉すら生ぬるい状況を起こせる助っ人にたった一人だけ心当たりがあった。武装隊の間でまことしやかに囁かれていたロストロギアを取り込み、SSSランクの魔力を持つ少女のことだ。噂によるとクロノ執務官すら圧倒したというが、尾びれ背びれがついたものだろう、と思っていたのだが、この状況を見るにどうやら噂は真実だったようだ。

 ヒュンヒュンと空を切るように広間を駆け巡るアクセルシュータ。傀儡兵も乱入者が最大の敵だと見定めたのか、彼女に向かって、襲い掛かるがことごとくが彼女の半径十メートル以内にたどり着くことなく、ただの粉々になった物体と化していた。その様子をただ見ているしかな
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