無印編
第二十二話 裏 後 (なのは、クロノ、プレシア、リンディ)
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がて、リンディが何かを決意したような表情をして、口を開く。
「……お願いできるかしら」
とりあえず、リンディが出した答えに満足しながら、はい、と答えてなのはは背後にある転送ポートへ行くために踵を返した。
自然と口の端が釣りあがるのを自覚していた。これからのことを考えれば、これから、翔太の敵を討ちにいくと考えれば、笑みがとめられないもの無理もない話だ。
「行くよ、レイジングハート」
―――All right! My master!!
この力は、この時のために――――なのは、出陣す。
◇ ◇ ◇
武装隊の隊長は、現場で戦況を見ながら、この状況の悪さに悪態つかざるを得なかった。
今回の強襲で使える部隊は、五人一組の小隊が二十五部隊。総勢百二十五人。部隊規模で言うなら中隊規模はあり、中規模の犯罪組織を制圧するには十分な戦力であるはずだった。だが、その戦力が今やたった一人の犯罪者に押されている。
理由は、わらわらと蟻のように湧いてくる傀儡兵だ。しかも、たちの悪いことに一つ一つがAランクの魔導師並みの力を持っている。武装隊の平均魔導師ランクはBランクだ。一番ランクの高い隊長の自分でもランクA+であり、傀儡兵一体に対して、武装局員が三人でようやく立ち向かえる程度である。
「隊長っ! 三番隊に負傷者三名っ! 戦線が維持できませんっ!」
「予備の十八番隊と交代。負傷者の回収と後方での治療急げ。さっき後方に下げた六番隊は?」
「今は回復して予備戦力で後方支援中です」
負傷者が増える中、こうして戦線が維持できているのは、突入の際に手伝いで来ているユーノという子どものおかげだった。彼の結界魔法と回復魔法を併用した魔法により、負傷者がでてもすぐに回復できるため、なんとか戦線が維持できているようなものだ。
しかし、その回転も限界を迎えるのが目に見えている。限界を迎えるのが先か、なんとかかろうじて送り出したクロノが戻ってくるのが先か。それだけが問題だった。
次々と舞い込んでくる負傷者の報告。予備の戦力を確保しながらなんとか穴埋めを続けるが、それも限界に徐々に近づいている。破綻の兆しが段々と見えてくる。そうなれば、部隊の士気も段々と下がってきてしまう。士気が下がった部隊がまともに戦闘行為ができるわけがない。
―――参ったな。こりゃ、どうするか?
気合を入れるのは簡単だ。だが、気合と根性だけで切り抜けられるほど現場は甘いものではない。確かな裏づけが欲しいものだ。何か起死回生の策はあるだろうか? と頭を捻らせていた部隊長の下に一本の朗報が入った。それは、管制塔オペレータのエイミィからの通信だった。
『部隊長っ! そっちに助っ人がそっち
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