第58話 =てがかり=
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方が強くいまだにそれは抜けない。
「それが今大人気なんだとよ…理由は「飛べる」からだ」
「…飛ぶってJumpの方?それとも…」
「Flyの方であってるぜ。妖精だから翅がある。フライト・エンジンとやらを搭載してて、なれるとコントローラ無で自由に跳びまわれる」
俺の質問に答えたエギルの追加の説明に和人は「へぇ」とわくわくしているかのように声を上げていた。その制御は相当難しいらしいのだが…。
「そりゃあそうさ…人間には無い翅を操るんだ。背中の筋肉を動かすのかな…」
いまのこいつの今の状態は完璧にアスナ<飛行だな。エギルも同じくそれに気付いたのか1回咳払いをしキリトの意識をこちらの世界へ戻す。
「…で、でこの大人気ゲームがアスナと何の関係があるんだよ…」
和人がそういうとエギルはその巨体の後ろから1枚の写真を出した。
「どう思う」
その写真は今朝俺に送られてきたものとまったく一緒のものだった。
「似ている……」
「あぁ…どっからどう見たってアスナだな…」
「やっぱりそうか…」
「早く教えてくれ!これはどこなんだ!?」
和人がもう耐えられないと言わんばかりにエギルに問い詰めるとその持っていたパッケージを取ると裏面にしてその中心を指差した。
「ゲームの中だよ。アルヴヘイム・オンラインのな………この世界樹という場所らしい」
エギルが指差す場所にはその絵からでも判るほどに大きい樹が聳え立っていた。
「プレイヤーの当面の目標は、この樹の家のほうにある城に他の種族より先駆けて到着することらしい」
「…飛べばいいじゃん。せっかくの翅なんだし」
俺がそういうと残念な声を出しながら答えてくれた。
「どうやら滞空時間ってものがあって無限には飛べないらしい。でだ、体格順に5人が肩車して多ロケット式で木の枝を目指した」
「ははは、なるほどね。馬鹿だけど頭いいな」
思わず和人の発言に「どっちだよ」とつっこみたくなったが我慢しよう。どうやらその目論見は成功、枝のギリギリまで肉薄したらしい。残念ながら枝にはたどり着けなかったが証拠としてその5人目が写真をいくつも撮ったらしい。その中の1枚をかなり引き伸ばしたのがこのアスナ似の画像らしい。
「でも…なんでアスナがこんなところに…」
「…キリト、見てみろよ…《レクトプログレス》だぜ、このゲームのメーカー名」
和人と同じようにいろんなところを見てみるとその大会社の名前があった。あの小父さんがCEOを勤めている会社だ。ということは須郷と廣田もこれに関わってる…いや、主に開発したのはこの2人だろう。
「…エギル、これもらってってもいいか?」
「俺も欲しいんだけど」
「……構わんが…行く
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