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リリカルってなんですか?
無印編
第二十二話 裏 中 (リンディ、武装隊、アルフ、リニス、プレシア)
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え、ええ。そこで、アリシアちゃんとの時間を取り戻す、と」

 間違いない、と見るべきなのだろう。自分が仕掛けた策が生きている間は大丈夫と太鼓判を押せるが、それもどこまで時間稼ぎになるか、リンディには予想ができなかった。だから、本当に一刻の猶予も許されなかった。早く、武装隊に突撃命令を出さなければ、と思ったところに緊急入電が入った。

『艦長っ! 時の庭園内部に魔力反応多数っ! Aランクの魔力反応……50、60、70。まだまだ増大中ですっ!』

 こちらの対応が一歩遅かったことを悔やんで、くっ、と唇を噛む。これがアースラの部隊が強襲することを読んでの迎撃態勢であることは明白だった。

「エイミィっ! 武装隊に突入命令をっ! クロノもすぐに出撃させるわっ!!」

 医療局員を連れてきたクロノを見ながら命じる。こちらがプレシアを確保するのが先か、あるいは、プレシアがリンディの策を破ってから、次元震を起こすのが先か。チキンレースのような模様になってきてしまった。

『了解っ!』

 頼もしい声と共に通信が切れる。翔太が医務局員によってストレッチャーで送られ、それに付き添うように動くなのはを見送って、リンディは管制塔へと足を向けた。これからきつい戦いが始まることを予感して、自分も出ることになるだろう、と予感に近い確信を得ながら、歩き始めるのだった。



  ◇  ◇  ◇



 武装隊が突入して、十分。かなり厳しい戦いにリンディは、眉をしかめながら戦況を見守っていた。突入回廊は、何とか確保した。だが、突入して最初の大広間の確保が中々できない。クロノとこの状況を見て今までフェイトの元に居たアルフが補助で、プレシアの元へと向かえた唯一の救いだが、それ以外に状況は好転していない。むしろ、悪化しているように思える。もし、クロノがジュエルシードを得たとしても、退路が確保されていなければ、逃げられない。プレシアと戦った後に突貫できるような余力がクロノに残っているとは思えない。限定とはいえ、相手はSSランクなのだから。

 ―――あと一つでもカードがあれば……。

 ないものねだりだが、そう望まずにはいられない。もう一つだけでも切り札が、あれば戦況はこちらに傾くというのに。戦力という形でいえば、翔太の両親と共に待機していた恭也や忍が参戦を希望してくれたが、いくらなんでも魔法が使えない、しかも、局員でもない人間を参戦されるわけにはいかない。

 その方向性で言えば、もう一人だけ、脳裏によぎる影があったが、それを振りかぶって、その考えを捨てた。それは、考えてはいけないことだからだ。いくら戦力が足りないからといっても、子ども―――しかも、現地の住民にそんなことを頼むわけにはいかない。それは、リンディの時空管理局員としてのプライド
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