無印編
第二十二話 裏 中 (リンディ、武装隊、アルフ、リニス、プレシア)
[16/16]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
訳………ありま…せん。そちら……に、もう一人……行かしてしまいました。―――
せっかく、もう一度使い魔にしてやったのに、使えない使い魔だ、とプレシアは思った。もっとも、一人が二人になったところで変わらないだろう。なぜなら、あの傀儡兵の山を越えてこられるとすれば、それは、執務官であるクロノか、あるいはプレシアが目をつけた高町なのはしかありえないと思っているからだ。
なのはが来たところで所詮Sランクの魔力。対してプレシアは、SSランクの魔力を自在に扱える。どう考えてもアドバンテージはプレシアにあった。しかし、目の前のクロノと協力されても面倒だ。だから、さっさと目の前のクロノは片付けてしまおうと先ほど中断した魔法を唱えようとして、またしても中断することになる。
今度はリニスからの通信ではない。気づいた、気づいてしまったからだ。この部屋にゆっくりと近づいてくる莫大な魔力を持ったものの存在に。少なくともプレシアはこんな魔力を持つ存在を知らない。思わず目の前のクロノの存在を忘れて、クロノに蹴破られた部屋の入り口を見てしまう。
カツン、カツンという足音と共にゆっくりと姿を現した彼女の姿をプレシアはどことなく知っていた。なぜなら、彼女は常に見張っていたから。彼女という存在を。翔太という餌がどれだけ彼女にとって効率的か、ということを調べるために。だから、少し成長したとしてもプレシアは彼女の名前を呼ぶ事ができた。
「高町なのはっ!!」
夜を流したような漆黒と血のように赤い文様に包まれた魔導師が、下種なものを見るような目でプレシアを見ながら、そこに立っていた。
つづく
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ