無印編
第二十二話 裏 前 (アルフ、リンディ、
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座標に移ったと考えたほうがいいだろう。そのため、こちらからはプレシアからのコンタクトを待つしかない状況だ。
その際、何が起きても大丈夫なように艦内全域に万全の準備をするようにという通達を終えたリンディの元に一つの通信が入る。
どうやら、アルフ、アリシア、なのは、翔太の両親、恭也、忍といった地球側の関係者が全員集まったようだった。その中で、明らかに様子のおかしいアリシアを医務室に運ぶように指示を出してリンディは管制塔に一言告げて艦長席を後にする。翔太の両親やなのは、恭也、忍に状況を説明するためだ。
管制塔を出たリンディは、地球側関係者を集めた会議室のような部屋へと向かっていた。その部屋に入った途端、その部屋にいた全員の注目がリンディに集まる。それを軽く受け流しながら、リンディは、翔太の両親の様子を伺った。母親のほうは、心配でたまらないという表情を浮かべており、父親はそれを支えるように彼女の肩を抱いていた。ただ、支えている彼も心なしか、肩が震えている。子を持つ親としては、彼らの心情は理解できる。子どもが誘拐されたなどと聞かされれば、ショックだろう。だから、彼らの心配が少しでも軽くなれば、と思い、リンディは最初に彼らに声をかけることにした。
「翔太くんのご両親ですね。今回は、翔太くんを我々の管轄のことに巻き込んでしまい、申し訳ありません」
「いえ。あの……それよりも、ショウちゃ―――翔太は、大丈夫なんでしょうか?」
「それについては、大丈夫かと。犯人の目的ははっきりしておりますので。それを手に入れるための鍵である翔太くんを傷つけるような真似はしないでしょう」
それはある種の目安だが、絶対とはいえない。だが、それでも心配を少しは和らげることができたのであろう。彼らはリンディの言葉に少しだけほっとした表情を浮かべていた。
リンディは、それから翔太の両親に目下全力で捜査中であること、なんとしてでも無事に翔太を取り戻すことを説明した。それらに対しては、翔太の両親は、よろしくお願いします、と頭を下げるだけだった。
その後、彼らはもう一人の娘であるアリシアのことが気になったのか、彼女の行方を聞いてきた。リンディは、ここで気を揉んでいるよりも、アリシアといたほうがいいだろう、と判断して、局員の一人を呼び出して医務室に案内させることにした。彼らに自由に医務室や食堂や客室を自由に使わせることに許可を出して。
さて、翔太の両親の話は終わった。残りは、三人だ。だが、その三人が一筋縄でいくとは到底思えなかった。彼らに視線を向けてみれば、案の定、疑わしいものを見るような視線をこちらに向けていた。もしかしたら、彼らは、誘拐事件等における自分たちのような組織の行動を知っているのかもしれない。それを翔太の両親の前で口にしな
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