無印編
第二十二話 裏 前 (アルフ、リンディ、
[11/11]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
て翔太は、エースにもジョーカーにならないというのに、と。だが、違った。ジョーカーは存在していた。高町なのはという魔力ランクSSSで、ロストロギアを操る規格外の魔導師が。そして、彼女に対するエースは、翔太だ。最初から、プレシアはそれを狙っていたのだ。プレシアが、翔太たちと接触した記録がなかったから、なのはについても知らないことが前提だったが、この策を考えるに彼女はどこかでなのはたちの関係を知ったとしか考えれなかった。
さて、それらについては、後で考えるとして、今は策を考えなければ、今ので三分も無駄にしてしまったのだから。
どうしたものかしら? と頭を捻りながら、考えるリンディ。
贋物を渡す。却下。それを予想していないほどプレシアは甘いものではないだろう。それを先ほどのやりとりで理解した。万が一にでも贋物だと分かったときに翔太に危害を加えるように何かしらの細工が施されている可能性すらあるのだから。
本物を正直に渡す。却下。それは、時空管理局という中でもご法度だ。到底受用できる案ではない。
ならば、取れる手は二つの間の折衷案である。つまり、本物を渡しながらも、それを使えないようにする。先ほどの会話から察するにプレシアはアースラに転移してくるつもりらしい。ならば、その後の転移を追えば、彼女がアジトにしている時の庭園へとたどり着けるはずである。よって、翔太を取り戻した後、すぐさま、強襲でジュエルシードを回収する。短い時間ではそれしか考えられない。
ただ、気がかりなのは、彼女もそれぐらいは予想していると考えるべきであるという点である。それならば、何らかの対策を打っていると思ったほうがいい。例えば、時の庭園ごと転移するなどだ。だが、あれほどの質量を転移させるとなれば、相当時間が必要となるだろう。あれだけの質量を転移させるほどの魔力エネルギーを一気に溜める手段がなければ。
そこまで考えて、リンディは、その魔力エネルギーを一気に溜める手段に心当たりを見つけた。つまり、ジュエルシードだ。あれほどのエネルギーを使えば、確かに一気に転移させるだけの魔力エネルギーを溜める事が可能だろう。
八方塞か、とも思ったが、諦めることなど考えてはいけない。だから、さらに考えをめぐらす。要するにジュエルシードを使って転移するつもり、あるいは、何らかの手段を使って脱出するつもりにしても、ジュエルシードが使えないようにすればいいのだ。
―――どうやって?
考え付くのは簡単だったが、それを実現するのは難しいように思えた。そう、目の前でこちらの出方を見ている少女を視界に写すまでは。彼女を見た瞬間にリンディの頭の中に単純だが、効果が見込めそうな策が思い浮かぶのだった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ