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リリカルってなんですか?
無印編
第二十二話
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僕がどうして殴られるのか分からない。ましてや、僕はマゾといわれる人種でもないので、痛みに快楽を覚えるわけでもなく、自分が悪いわけでもないのに、ごめんなさい、と謝りたくなってきた。

 まるでサンドバッグのように殴られる僕だったが、不意にぴたりと痛みがやんだ。どうなったんだ? と思うが、目の上が腫れているのだろう。はっきりと目の前の状況を見ることができなかった。しかし、これで殴られなくなった、という安堵のためだろう、一気に気が緩んでしまった。

 どさっ、という音と共に倒れる僕。床に転がされるような形になるが、リノリウムのような床のひんやりと冷たい感覚が、殴られて熱を持っている僕の肌には優しく感じられた。

 どれだけそうしていただろうか、またしても首が引っ張られる。

 顔を上げると、僕を無表情に僕を見てくる猫耳の女性。また、殴られるのか? と恐怖を覚えていたが、彼女が口にした言葉はそうではなかった。

「行きますよ」

 どこに? という問いも許されず、ずるずると引っ張られる。もはや身体中の痛みから反抗する気力もなく、ずるずると引きずられる。成すがまま成されるがまま、引っ張られた僕が連れて来られたのは大きなホールのような場所。そこの中心に彼女が立つと僕たちの周りは、黄色い光に包まれた。

 魔法? と思ったが、次の瞬間には周りの風景が一変していた。こういう魔法に僕は心当たりがある。転送魔法だ。つまり、僕はどこかに連れて来られたのだろうか? だとすると、どこに? と疑問に思う間もなく、聞き覚えのある声が僕の耳を打った。

「ショウくんっ!!」

 間違いではなければ、その声はなのはちゃんのものである。ならば、ここはアースラなのだろうか? そう思い、痛む顔を上げて少しだけ頭を上げてみると、リンディさんがジュラルミンケースのようなものを猫耳の女性に渡していた。その顔は、苦虫を潰したように渋いものだった。

 だが、その表情に気づいているのか、気づいていないのか、猫耳の女性は、淡々とそれを受け取り、丁寧にもペコリと頭を下げるとまたしても、先ほどと同じように黄色い魔方陣に包まれていた。今度は、僕を連れて行くことなく、一人で姿を消した。

「ショウくんっ! 大丈夫っ!?」

 彼女が姿を消すと同時に駆け寄ってきたのは、なのはちゃんだ。しかも、制服姿のまま。いや、もしかしたら、それはバリアジャケットなのかもしれないけど。僕の視界からは、涙をボロボロと流しながら、オロオロと心配そうに僕を見つめるなのはちゃんが見えた。

 心配かけちゃったなぁ、と思いながら、少しでも彼女の心配が収まるように痛む顔で、無理矢理笑みを作る。

「あははは……、ちょっと身体中が痛いかな」

 笑っているが、冗談抜きで本当に痛い。おそらく
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