無印編
第二十二話
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今日は、ジュエルシードの事件が終わった後の打ち上げだ。事件が終わって一日しか経っておらず、後処理が色々残っているが、昨日の事件は、それなりにアースラの乗務員の面々に疲労を与えたらしく、これからの英気を養うためとして、打ち上げを行っているのだ。
それで、大丈夫なのか? と思ったが、昨日の次元震の影響でしばらくは彼らも帰られないから時間は十二分にあるとクロノさんが教えてくれた。
そんな打ち上げは、海岸でのバーベキュー大会だ。人数が人数なだけに相当数の鉄板や食材が必要だったが、そこは、月村家が後援してくれている。参加者にはなのはちゃんの家族や僕の家族も参加している。月村家からは、すずかちゃんも来るかと思ったけど、今日は忍さんだけらしい。
「ねえ、ショウくん、このお肉焼けてるよ」
そういいながら、お皿に大量の肉を持ってきたのは、なのはちゃんだった。後から聞いたことなのだが、なのはちゃんは、僕を看た後、なんと、あの時の庭園という場所に手伝いとして時空管理局の面々と突入したらしい。もっとも、彼女の魔力の関係もあり、お手伝いというよりも、むしろ、主戦力として働いたらしいが。
危険なことを……、とも思ったが、なのはちゃんの助力がなければ、次元震に巻き込まれて地球はなかった、といわれれば、文句もいえなかった。結果よければ、すべてよし、というが、その感覚に近いのだろう。
「お兄ちゃんっ! 私も持ってきたよ」
そういいながら、お皿からこぼれそうなほどに野菜や肉を持ってきたのはアリシアちゃんだった。
アリシアちゃんが体調が回復したのは喜ばしいことだ。フェイト、という名前で恐慌状態に陥るかどうかは、まだ試していないが、わざわざ、恐慌状態に陥るかどうか、と試す必要はないだろう。ちょっとした失敗程度では、アリシアちゃんが取り乱すこともなくなった。僕たちの言葉で彼女の立ち位置がしっかりしたものになって安定したというのであれば、喜ばしいことだ。
さて、アリシアちゃんとなのはちゃん。年も近いこの二人。せっかくの機会だから、二人とも仲良くしてくれれば、と思うのだが―――。
「……私がショウくんに持ってきてるんだから、あなたが持ってきたのは要らないよ」
「ふんっ! お肉ばっかりじゃ、ダメだもんっ!」
ガルルルル、と威嚇するような声が聞こえそうなほどににらみ合う二人。
僕の考えは、脆くも崩れ去ってしまっていた。二人が顔を合わせたときから何かを張り合うように、仲たがいするようにお互いを挑発し、威嚇しあう。今日であったばかりなのにどうして、こうやって仲たがいできるのだろうか? と考えるが、この騒がしい状況の中、考えがまとめられるはずもなかった。
「ショウくんっ! はい、食べてっ!」
「お兄ちゃ
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