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リリカルってなんですか?
無印編
第二十二話
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、意味の通じる単語だったのだろう。僕の言葉を聞いたリンディさんは慌てたようにエイミィさんに再び指示を飛ばし、次に別のウィンドウを広げてクロノさんに指示を飛ばしていた。

 その形相からして、かなり緊急事態だということが分かった。

 こんな事態で、僕に力があれば、手伝えるのだが、と思うが、生憎ながら僕程度の力では足手まといになることは明白だった。そもそも、痛みが引いてきたとはいえ、僕はけが人なのだし。

「翔太っ! 大丈夫か?」

 今度はクロノさん。ようやく痛みなしで動かせるようになった首を動かしてみると、後ろに二人ほどの局員さんとストレッチャーのようなものを引き連れてクロノさんの登場だった。

「すまない。僕たちが油断したせいで、君に痛い思いをさせてしまった」

「いえ、僕なんて予想できなかったでしょう」

 そう、今でも僕は分からない。時空管理局にとって僕など管理外世界の住人であるのだから、一番価値が低いはずである。限られた人員しかない彼らが僕にまで気を配るのは不可能だろう。まさか、と突かれた形になってしまった訳だ。

「すまない。謝罪は改めてだ。後のことは任せてくれ。君は、医務室で十分に傷を癒してくれ。そこに君のご両親とアリシアがいる」

「ああ、そうですか」

 よかった、と安堵した。どうやら、アリシアちゃんはここに運ばれていたようだ。もっとも、普通の病院に運ぶには少々、問題がある子だったが。

 そんなことを考えている間にも、僕は局員の人によってストレッチャーのようなものに寝かされていた。このときには既にユーノくんの治療は終えており、僕自身も痛みはかなり引いていた。僕の隣に寄り添うように近づいてきたのはなのはちゃんだ。彼女の表情は相変わらず心配そうにしており、晴れていない。

「なのはちゃん、僕はもう大丈夫だよ」

「本当?」

 それが本当だということを証明するように僕は、今度は痛みに耐えることなく、うん、と笑顔で応えた。それを見て少しは安心したのか、なのはちゃんは、泣きはらしたであろう赤い目を持った顔を心配そうな表情から少し笑顔に変えてくれた。

 やっぱり、女の子の顔は、泣いている顔よりも笑っているほうが思うのは、僕が男の子だからだろうか。

 何はともあれ、これで一安心と思ってしまったのが拙かったのだろうか。安心してしまった僕に強烈な眠気が襲ってきた。おそらく、寝る前だったこと、向こうで緊張していたこと、色々な要員が重なったためだろう。

 だが、急に眠気に襲われた頭を何とか鞭打って、なのはちゃんに何とか最後の言葉を言う。

「ねえ、なのはちゃん、ちょっと眠くなったから、少し寝るね」

「うん、分かった。ショウくんは、ゆっくり休んでて。大丈夫だよ。私がちゃんとやっ
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