萌芽時代・出逢い編<中編>
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
うちはの(そう言えば名前を聞いていなかった)兄弟達と顔を合わせてから、数日後。
今日も素敵にダンディな父上に呼び出された私と扉間は、二人揃って客間へと向かって歩いていた。
「なぁ、扉間。オレは昨日任務が入っていたからよく知らんのだが、誰か来ているのか?」
「確か、遠い親戚がやって来たと一族の者達が言っておりました」
ふうん、と適当に相槌を打つ。
千手一族の遠い親戚ね。日々色々な事が有り過ぎて、徐々に原作というか前世知識が薄れてきてるからなぁ、思いつかないや。
最も、人面フラグが起こりかねない事だけは覚えているんだけどね、強烈に。
「父上。??柱間、扉間参りました」
「入りなさい」
室内に入り込む前に、障子の前で軽く両膝を付いての入室のお伺いを忘れない。
「失礼します」
「失礼致します」
内輪だけならこんな事しなくても良いのだが、お客さんが来ているとなるとそうもいかない。
一礼して、扉間と共に部屋に足を踏み入れた。
「よく来たな、二人共。??うずまきの長老殿、こちらが柱間とその弟の扉間です」
「ほう。二人共将来が楽しみな良い顔付きをしとる。お主も鼻が高かろうて」
「いえ……。そのような事は……」
父上め……、本当に私の性別を忘れているんじゃないだろうか。
謙遜しながらも、どこか照れくさそうな父親を軽く睨む。
そうしてから、お客人の方へと視線を移した。
随分と歳を取ってはいるが、矍鑠とした老人である。
鎧装束などは身に着けてはいないが、それでも身に纏う雰囲気や服の合間から覗いた肌に浮かぶ無数の裂傷から、この老人もまた自分達同様に戦う事を習いにした人物であると推測出来た。
「??父上、こちらのご老人は……?」
「おお、すまなかった。柱間、こちらは我らが系譜に連なるうずまき一族の長老殿だ」
「うずまき一族……」
って、主人公の名字じゃないか! まだその事は覚えている。
そんな事を思っていた私の耳に、父上の言葉が飛び込んでくる。
「そして、こちらが……」
差し出された手の、その向こう。
うずまきの長老殿の隣に、小さく縮こまる様に一人の少女の姿があった。
「??でさぁ、聞いてよ猿飛殿! この間、千手で女の子を預かる事になったんだけど、その子、ものすっごく可愛いいんだ!」
「もう何度目だよ、千手の。俺、そろそろ耳に胼胝が出来そうだぜ……」
任務で知り合った猿飛一族の忍者、猿飛佐助さん。この間、息子が生まれたばかりの先輩忍者さんだ。
以前、任務の最中に怪我をしているのを治療してから、こうして度々話す間柄になったのである。
空区でばったり顔を会わして、そのままお互いに用事もなかったので茶屋で一服していた
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ