第2章 真の貴族
第20話 フリッグの舞踏会
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は、そんな事は言わなかったけどな。それに、キュルケとルイズは仲が悪いから、俺に対してそんな事が出来る訳はないか」
そう才人が答えた。……その言葉の中には、からかう気半分、御愁傷様と言う気分が半分と言う、少し微妙な雰囲気が含まれていた。
確かに、キュルケのツェルプストー家とルイズのヴァリエール家は隣同士の領地を領有していて、古来よりトリステインとゲルマニアの間で紛争が起こるたびに、お互い両国の軍隊の先頭に立って戦って来た間柄らしいから表面上は仲が悪いように見えますね。
もっとも、どうもこのふたりの関係はキュルケがルイズをからかって、ルイズが突っ掛かって行くと言う、俺から見ると、どう見てもじゃれ合っているようにしか見えない間柄のようなんですけど。
人間的にルイズの方が少し幼くて、キュルケの方が大人なので、そのまま相対して居たらキュルケの方がかなり有利……と言うか、まともな友人関係は築けそうにないので、キュルケの方が少し、子供っぽい対応をルイズと居る時にはしている。そんな雰囲気が有るような気がするのですが。
……おっと、そう言えば、
「そのキュルケとルイズの間に立って、色々有ったらしいやないですか、才人はんも」
もう、これ以上、俺の服装についてツッコミを入れられると、しばらくの間、主に精神的な意味から立ち直れなく成りそうなので、無理矢理、話の方向を変える俺。
それに、複数有る理由の内のひとつには、恥ずかしいから、壁の花ならぬ、テーブルの守護者と化しているタバサの方向を向いたきり……つまり、ダンス。何故か、ワルツを踊っているホールの方向にお尻を向けて立っているのですから。
もっともこの世界は、会議は踊る、されど進まず。と言う言葉が産まれていない時代のはずなのに、何故にワルツが浸透しているのか、判らないのですが。
既に、ナポレオンが居た事が有る……訳はないですよね。
「あれは、キュルケにからかわれただけだよ」
そう謙遜する才人。しかし、実はまんざらでもない、と言う雰囲気が発せられていたから、この部分に関しては、もう少し、ツッコミを入れても大丈夫でしょう。
少なくとも、現在の俺の服装に対するツッコミを、才人は忘れてくれるでしょうから。
「そないな事を言って、夜にキュルケさんの部屋に連れて行かれたりしたって話を聞きましたよ」
……そのキュルケ本人から。
但し、ニュースソースに関しては明かさないのが、賢明でしょうね。
「その所為で、今日は朝から宝物庫の壁修理をさせられたけどね」
そう、オチを付けるような形で、才人は話を締めくくった。
そう。一昨日の夜に、何かの行き違いが有ったらしい才人がルイズの部屋を追い出された際に、キュルケが才人を自らの部屋
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