第2章 真の貴族
第20話 フリッグの舞踏会
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せんから。
それに学生服とは学生に取っての礼服で有り、平服で有り、そして、戦闘服の場合も有ると言う非常に便利な服装です。
まして、俺の通っていた高校の制服は今時珍しい詰襟です。これなら、ネクタイは必要ないですし、見た目的にも軍服から派生した服装ですから華美でもなく、それでいて十分礼服としても通用する服装と成っています。
……などと言う、俺の都合の良い思考をあっさりと見切り、更に粉砕してくれる女性が一人、この場には存在していた。
「シノブ。あの黒い服装なら不許可よ」
何故か、俺の心を見透かしたようなキュルケの発言。
しかし、何故に、彼女には俺の心の中が簡単に判ったのでしょうか?
「何故、判ったのかって、言う顔をしているわね」
再び、俺の思考を読み切ったキュルケの台詞。この辺りは、伊達に多くの男性と付き合っている訳ではないと言うトコロですか。
それでも、彼女の周りには、俺のような種類の人間は居ないと思うのですが……。野暮ったくて、洗練された雰囲気もない。まして、女性の扱いに長けた若い貴族たちとはまったく正反対の雰囲気を発して居る人間。
流石にこんな若い貴族はいないでしょう。
そんな、今はどうでも良いような明後日の方向に思考を向けて居る俺と、我関せずと言う雰囲気で手にした書物の文字を、その瞳のみで追い掛けて居る我が蒼き姫の顔を交互に見つめたキュルケが、意味あり気に少しの笑みを見せる。そして、
「あのね、シノブ。主人と使い魔は似て来るものなの。
そして、タバサ。貴女は、この舞踏会にも、あの黒いパーティ・ドレスを着る心算なのでしょう?」
キュルケの問いに対して、目で追っていた活字から、わざわざ視線をキュルケの方向に移した我が主が、普段通りの透明な表情を浮かべたままで首肯いて答えた。
何時も通りのタバサの対応。彼女は、キュルケの言葉には、割と真面目に答えますから。そして、俺に対しても……。いや、真面目に聞いてくれますし、俺の言葉を右から左へ聞き流すような事を為した事は有りませんでしたか。
彼女が纏っている雰囲気から、結構、素っ気ないように感じるけど、身内に対してはそんな事もないと言う事なのでしょうね。
それにしても……。俺は、キュルケを見つめてから、少し思考の海に沈む。
そう。先ほどの台詞の意味。タバサと俺が、同じように黒い服装をしているから似た者同士だと言う心算でしょうかね、キュルケさんは。
少なくとも俺は、協調性のないタバサよりは社交的だと思っているのですよ。
もっとも、少し取っ付き難くい雰囲気が有る事は認めますが……。
しかし、
「どちらも、服装についてこだわりが無さ過ぎるのが判るのよ。
まして、パーティに参加するのに、シ
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