Huit
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「やめた」
また気紛れにエルは言ってわたしの腕を放り出した。わたしの上の重みがなくなる。
「今日は世情を教えてやろうと思ったが、残念ながら時間だ」
「そう」
「だが、次は本部に連れて行ってやる」
「本当!?」
思いも寄らなかった言葉にわたしの気分は弾んだ。おかげで、反応が遅れた。
「ああ」
エルは笑顔でわたしの右手首を掴むと中指から小指までを一気にへし折った。
自分の骨が折れる音なんて、何度聞いても慣れるものじゃない。
「その指が治る頃に迎えに来てやる」
脂汗でべとりと張り付く髪の隙間から見上げたエルは、いつものように冷えた瞳で笑っていた。
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