第1話〜少年と精霊
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マズいですよ。」
遅刻はしているが入学式の時間はまだだ。今すぐ行けばまだ間に合うだろう。
「まあ気にすんなって。俺が上手い言い訳考えておいてやるからさ。」
余り乗り気じゃないが翼先輩が上手い言い訳を作ってくれるなら良いか。
「うーん、じゃあ受けて立ちますよ。」
「よし、決まりだな。」
俺は翼先輩について行った。
10分ぐらい歩いただろうか。翼先輩に連れられて来た場所は人通りの少ない山の麓。この辺は石もなく足場も良いため、デュエルするくらいなら問題はない。静かで誰も邪魔しにはこない、最適な場所だ。
「じゃあ準備しようぜ。」
翼先輩と俺はデュエルディスクにデッキをセットして腕に装着する。
「俺は準備良いですよ。」
「俺もだぜ。じゃ始めようか。」
二人は一定の間を保ち対立する。聖星高校の翼先輩の実力はどれ程のものなのか。正直、翼先輩が考えてくれる遅刻の言い訳はどうでも良かった。俺がデュエルを引き受けたのは聖星高校のデュエリストの実力を見てみたい、ただそれだけだ。
二人のデュエルがガチャっと音を立て動き出す。
「デュエル!!」
俺と翼先輩の声が静かなこの場所に響いた。
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