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故郷は青き星
第七話
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──と似た物体が、機体上部に専用のアタッチメントごと搭載されていた。

 母艦種艦隊へ、その進行方向の左上方から突入した編隊。
『標的艦への衝突コースに乗った。慣性制御弾投下する』
『こちらも標的艦ロック。慣性制御弾投下』
 ヴォーロの機体に続き、エルシャンの機体も慣性制御弾と呼ばれる機体上部に設置された物体を切り離すと、双発の重力エンジンを最大出力で稼動させ緩やかに標的艦との衝突コースから外れて行く。そして標的艦の後方に抜けようとした瞬間、至近で発生した強力な重力波に機体が震える。
 慣性制御弾は外見のみならず機能もほぼ減速装置と同様だが。少ない違いの一つである近接信管により、標的艦への命中直前で搭載された重力波エンジンをオーバーロードさせ、前方へ100m直径10mの円筒形の範囲に存在する物質の慣性を殺す。
 するとその範囲に囚われた艦の一部は標的艦の進行ベクトル反対に位置する構造物に飲み込まれ、そこだけ、まるでもぎ取られたかのような穴を開けると、次の瞬間、その穴を起点に標的艦は前後二つに引き裂かれ爆散した。
『標的艦撃沈確認』
『こちらも確認』
 成果を確認し合う2機の背後では、他の母艦種が編隊の他のパイロット達が撃沈され次々と巨大な火球と化すが、亜光速で遠ざかる2人にはまるで遠い星のきらめきのように見えた。

『任務完了。全母艦種撃破を確認。全機減速着艦作業を開始せよ』
 編隊の前方に現れた航宙母艦から通信が入る。
 今回の作戦は2隻航宙母艦と所属する2個連隊により実行された。先ずはエルシャン達が所属する連隊が先行して発進。敵母艦種の艦隊に襲い掛かり、時間差でもう1隻から発進した連隊が敵艦隊に止めを刺す。攻撃後それぞれの連隊は、発進した航宙母艦とは別のもう1隻へと着艦する。
 つまり、本来所属する艦とは別の艦に戻るわけだが、連盟軍においては機体のみならず擬体さえもパイロット専用という訳ではなく、同調した相手の身体に合わせて骨格の長さを調整する仕様なので全く問題は無かった。

 エルシャンが管制の指示に従いガイドレーザーに機体のベクトルを合わせて減速をすると、格納デッキ入り口から伸びてきたロボットアームが機体を捕まえてデッキ内へと引き込み、定位置に機体を納めると『着艦終了。パイロットはブリーフィング開始まで待機』と指示が出てブラックアウト。次の瞬間には出撃前に待機していたガンルームに居た。

「お疲れ様。毎回こんな風にアクシデント無く済む任務なら楽だな」
「お疲れ様ヴォーロ。僕もそう思うよ」
 特に今回は待機時間を含めて1時間半程度で終了し、母艦種撃破1で特別ボーナスも出る美味しい任務だが、散々な目にあった前々回の奇襲任務を思い出しながらそう答える。
 その奇襲任務では、こちらの奇襲が【敵性体】の艦隊に露見して
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