第七話 初めての市場
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め俺もワーキャー言いたい。
「ん? 急に立ち止まってどうした。あと少しだから頑張れ。いくら俺でもそんなデカい獲物を運ぶのは手伝えねぇからな。はっはっは!」
「あ、あぁ大丈夫だ。問題ない」
あぁ良い人だぁ。これが人の温もりか……久しく忘れてたぜ。ってそれよりもまず自分の名前だ。しかし一向に思い出せる気がしない。というよりポッカリと穴がいているようなそんな感じだ。思い出せる出せないの話ではなく、無くなっていると言った方がいいかもしれない。少し寂しいが、それならそれで……
「着いたぜ。ここならその馬鹿でかい鰐鮫でも置けるだろう」
「助かる。有難うな」
見た感じ歳もそんな変わらないし別に敬語使わなくてもいいよな。最近の若者らしく敬語そんな得意じゃないし。俺は鰐鮫をその場所にゆっくりと置いた。といっても重量が重量なだけに凄まじい地響きがなったが。
「うおっ!すげぇ音だな。こりゃぁ二十五、いや二十七トンはあるぜ」
「よくそんなこと分かるなぁ」
「これでも卸売業やってるからな。ワールドキッチンやつなら大体目測で測れるもんだぜ」
「ワールドキッチン? そうか、ここワールドキッチンだったのか!」
「おいおい、まさか知らずにそんなもん持ち込んだのかよ」
「どおりで皆寄ってくると思ったんだよな」
「そうじゃなくても、そんな大物持ってれば寄ってくると思うけどな」
世界の台所(ワールドキッチン)。もうそんなに細かいことは覚えてないけど、原作でも最初の頃はよく登場していた市場だ。詳しくは記憶にないが、凄い面積と金が行き来してる化物市場だってことは覚えてる。
「それで、もう一度聞いていいか? 名前」
トムは鰐鮫を見ながらもう一度その質問をしてきた。いやしてくれた。そう、俺はやはり思い出せていない。恐らくそれはこの世界に来たとき、抜け落ちてしまったのだろう。それ以外考えられないし、それで納得せざるを得ない。本当のことなど考えたって分からないのだから。ならばこの世界での新たな名を考えればいい。新たな門出には丁度いい。
「――雷電。俺の名はライデン。よろしく頼むよ、トム」
「ライデンか。良い名前じゃねぇか。こちらこそよろしく、ライデン」
お互い固い握手を握り交わし、男の友情を深めた……気がするのは俺だけではないはず。
「ところで、ここがワールドキッチンってこと知らずに来たとなると、もしかしてまだ専属契約を誰とも結んでないのか?」
「ん? あぁしてないな。ってか専属になると何かいいことでもあるのか?」
「ライデンはそんなことも知らずに美食屋やってんのか。なんつーか、実力と知識が釣り合ってねぇな。よし俺が簡単に教えてやる」
トムの説明を簡単にまとめる
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