第七話 初めての市場
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あれから15日程たったある日、俺はいつものように湯に浸かりながら、ときたま素潜りで適当な獲物を見つけて食していた。あの無人島から持ってきた食材はわずか三日で消え去った……ペース配分を間違えたみたい。中に残っているのは葉巻数本と手帳、そして衣服だけだ。
そしてその手帳と衣服に異変が起きたのだ。俺が無人島にいた頃はまったく汚れず傷つかなかった手帳。さらには俺の成長に合わせて伸縮していたあの黒皮の衣服が傷つき始めたのだ。どうやらこの機能はあの無人島時限定だったらしい……こういうことは早く教えておいてくれ。
おかげで衣服を着用し手帳をポケットに入れていつものように素潜りをしたせいで、海中にいた生物との戦闘で上下ボロボロになってしまったのだ。元々衣服は二着あったので何とかなったが、手帳は天に召された。南無三。ん?下着?そんなもん最初の半年で擦り切れて消滅したわ!
そんな事態にもめげずに懸命に生きていると、温泉鮫が急に泳ぎを止めた。
「ん? どうした。なんかヤバい敵でもいるのか」
そんな俺と同じくやる気の無さそうな目をしている鮫を見ると真っ直ぐ前方を見ている。何を熱心に見つめてるんだと同じ方角を見てみるとその先には港があった。
「お、おぉぉぉおおお!! 鮫っちデカした!!」
あぁ、夢のようだ。少し遠いが前方には大小様々な船が立ち並んでいる。漁業だろうか。人がいることには間違いない。この世界に来て八年、ようやく人に会える!
とにかく鮫が止まったということはこれ以上先には進めないということだ。俺は海に飛び込み温泉鮫の目の前に行く。
「よし、今までありがとな。世話になった。お前も元気でやれよ」
温泉鮫は返事変わりとばかりに背中のしぶき穴から湯を大量に吹き出し、まるで噴水のように水しぶきを上げ俺の門出を祝ってくれた。良い奴だ。
そして別れの挨拶を澄ませてその港へと泳いで……は行かずに水面を猛ダッシュで走り抜けた。実はこれワンピースの六式を練習していた時に習得したものだ。まぁ結局あまり習得できなかったのだが、奇跡的に習得できたものもあった。あの時は感動したもんだ。
その中でも「剃」と呼ばれる技法で、地面を瞬時に十回以上蹴り爆発的に加速させる技は出来た。その応用技の月歩と呼ばれる技で空を蹴り、宙に浮く技がある。この月歩は出来なかったのだがその練習の際、偶然にも同じ要領で海上を走れるようになったのだ。
勿論、そんな長距離は走れないが数キロ程度なら余裕だ。
その途中襲ってきたなんかデカい鮫を荒いノッキングで返り討ちにし換金のために持ってく。ノッキングする時のコツはこの辺かなと思ったところに適度な威力の電気を針状にして打ち込む。これで万事OK。
そしてこいつは数十トンはある
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