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遊戯王〜共鳴する精霊
プロローグ

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空は闇となり人通りの少ない路地を歩く少女。その後ろより一つの影がゆっくりと忍び寄る。少女は背後の気配に気がつき早足になる。少女に振り返る勇気はない。そこに付け入るように影は迫り来る。影から伸びてきたの凶器の手が少女の後ろ姿を捕らえようとした。少女は足を止め勇気を振り絞り振り返る。振り返ったと同時に漆黒の手が目の前に迫り悲鳴を上げる間もなかった。その瞬間、鈍い音が響いた。すると少女と影との間に一本の剣が漆黒の手とぶつかりあった。影はすぐに後ろへ下がる。そこには一人の黒き少年が立っていた。右手には異形な長い剣を持ち影と対立した。少女は突然の事に腰を抜かした。影は少年を見ると不気味な程に割けている口を開いた。
「チッ、ジャマガハイッタ。セイレイツカイメ・・・。」
おぞましい声でそう言うと影は闇へと溶け込んでいく。
「待て!!」
少年の声は遅く影は跡形もなく消えた。
諦めたように少年は異形な剣を下に向けた。すると剣は光の欠片となり散った。
「大丈夫?」
少年が手を少女へと差し出した。少女も手を出して立ち上がった。
「あ、あの、ありがとうございました。」

「いえ、無事で何よりです。じゃあ気をつけて。」
少年はそう言うと影が消えた方向へと駆けていった。

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