暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRYTAIL-ダークブリングの力を操りし者-
第七話 歓迎戦
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
現れたのは俺以上に重症を負ったラクサスだった。

 ただ、凄まじいのはあの爆発の衝撃で倒れず立ち尽くしていることだ。額から腕から身体全体から血が流れ出しており、誰がどう見てもすぐに手当てしなければならないほどの傷。…だが、ラクサスはそんな状態の中で楽しくて仕方がないと言わんばかりに笑っていた。そしてすぐに俺を見つめ直す。

「まさか俺がここまで手こずるとは思わなかったぜ――ルシア」

「名前覚えてんじゃねぇか――ラクサス」

 この会話がまるで合図だったかのように同時に地を蹴った。繰り出されるは拳。真っ直ぐで何のフェイントもない俺達二人の拳がぶつかり合ったとき凄まじい衝撃が周囲を突き抜けた。そして身体を地に伏せたのは……

「あの時点で限界だったんじゃねぇか。バーカ」

 ラクサスだった。ラクサスの身体は俺の炎や爆発の時の影響で全身に火傷を負っており流血もしていたが、その満身創痍な状態とは裏腹に満足そうな顔で気絶している。珍しいんだろうな、この顔は。俺も久しぶりのダメージに地面に腰を下ろした。

 疲れた。滅茶苦茶強かった、手首を掴まれ、口から雷撃のようなモノが見えたときは冷や汗モノだったがあそこで命運を分けたな。忌々しいことに正直ラクサスの野郎に勝てたのは運がよかったと言わざる得ない。DBPはあまり減ってはないが、体力がヤバイ。DBに目を向けすぎて基本となる体力強化を疎かにした罰か。俺はため息をつき、その場に寝転がる。すると

「やれやれ、こんなことになると思ったわい。この戦闘バカ共めが」

 声の聞こえた方へ顔を向けようとすると、ガシッと両頬を掴まれ顔を固定された。眼前に見えるのは綺麗な右眼がついたエルザだった。

「よう、右眼よかったじゃねぇか。義眼とは思えねぇな」

「うっ、右眼を失っていたことを気づいていたのか。ってそうじゃない!話を逸らすな! これはどういうことだ。ギルドに入った初日から問題を起こすんじゃない」

「あぁ、歓迎会らしいぜ」

「そんな歓迎会あるわけないだろっ!」

 もっともだ。俺は今だ騒いでいるエルザの声を子守唄にしながら襲ってきた眠気に身を任せ、心地よい疲労感と共に静かに眠りについた。




「ていっ!寝るな。話は終わってないぞ」

 まさかの鋭いチョップで俺は再び目を覚ました。普通これで綺麗に終わるんだけどな、いや何でもない。酷いメタ発言をしてしまった。俺は未だに説明を求めるエルザに今回の事をごく簡単に説明した。そしてエルザはその場で眉間に皺を寄せながら深く考え込んでしまった。これは長そうだな。

 俺は一旦グレイとの戦いの報酬を貰いに行こうと重い身体を引きずってワカバのところへ赴いた。その途中まだ倒れているであろうラクサスの方を見てみるとフラつきな
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ