暁 〜小説投稿サイト〜
蒼き夢の果てに
第2章 真の貴族
第19話 不死鳥
[7/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
い事も理解出来た。
 せやけど、何故、不死鳥の再生の儀式の時が危険なんや? あの鳥は、不死。つまり、基本的に死ぬ事は無いから不死鳥と呼ばれるんやなかったのか?」

 香木により祭壇が築かれた現場を睥睨する形で見つめながら、導く者にそう尋ねる俺。
 現在、時刻は朝……と言って良いかどうか判らないけど、明け方では有る午前四時過ぎの時刻を俺の腕時計は示しています。

 そして、その居場所に関しては……。大体、地上、20メートルほどの高さで滞空した形で居るのは、ここが一番安全だと判断したから。

 先ず、一番その理由として大きいのは、その再生用の香木により組まれた祭壇と言うのが、かなり大きい目のキャンプファイヤーぐらいの大きさが有り、それにフェニックス自らが火を放つので、流石にその周囲に居るのは危険と判断した事。

 更に、火竜に因る対空警戒が行われているこの地に、空中から侵入して来るバカはいない。いくら何でも危険過ぎますから。まして、この位置に滞空していたら、視界と言う点でもかなり広範囲の視界は確保出来ます。
 確かに、雲や霧で視界を遮られる範囲が有るのは、まぁ、仕方がないでしょう。それに、探知に関しては、人に近い気を発する存在が俺とタバサ以外に存在しない為に比較的広範囲をカバー出来るから問題はないと思います。

 そして、仮に地行術が存在していたとしても、地表には結界を施す事に因って地行術に因る侵入を阻止する事にしました。

 一応、その理由は三つ。

 ひとつ目は、ここは神聖な死と再生の儀式の場である以上、不必要な死の穢れを撒き散らせる訳には行かなかった。

 もうひとつは、神霊が宿る山に人の争いを持ち込みたくは無かった。
 火竜に侵入者が襲われるのは、火竜の生息域を犯す人間の方が悪い。ですが、俺が仕掛けた罠に掛かって人死にが出る事は、その場合とは違った結果と成ります。

 三つ目は、俺自身が人の死に慣れたくは無かったし、タバサにも慣れて欲しくは無かった。
 相手が、失敗に対してどう対処しようが知った事では有りませんが、俺まで相手のレベルに合わせる必要は有りません。
 そう思ったのですが、この甘い判断が、後に何か悪い結果を起こさなければ良いとは思うのですけど……。

「厳密に言うと、彼は不死ではない。自らの老いた身体に炎を放ち、祭壇に集められた香木……つまり、植物の生命力を火に変換させる事によって新たな力を得て、自らの身体を再生する能力を持っているに過ぎない。
 その老いた身体の段階で捕らえられたら、彼は死に、そして、代わりに彼の能力を得る存在が現世に現れると言う事となる」

 永遠に繰り返す死と再生ですか。確かに、自分と言う自我がずっと続くのならば、それは永遠の生命と言う物と同義語と言っても間違いでは
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ