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蒼き夢の果てに
第2章 真の貴族
第19話 不死鳥
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ないと思います。
 地上を進んで来るのは、今施している結界をどうにかしない限り、儀式の現場に近づく事は不可能でしょう。

 但し、もし、この世界に地行術や、土遁の術のような魔法が存在しているのなら、その魔法対策も考えて置く必要が有ります。
 いや、確かに地表をすべて結界で覆って仕舞えば問題はないのですが……。

 しかし、タバサは首を横にふるふると振った。これは否定。
 そして、

「わたしは、そのような魔法は知らない。しかし、わたしが知っている魔法が、この世界の魔法の全てではない」

 ……と、答えた。
 確かに、タバサが知っている魔法が全てではないのが当たり前ですか。俺の方にしても、俺の世界の魔法を全て知っている訳では有りませんから。
 それに、地行術と言うのは、そう珍しい魔法でも有りません。

 対策として簡単なのは先ほども考えた通り、地表を全て結界で覆って仕舞う事。
 但し、この方法を取った場合、相手に地行術が有るかどうかが判らないと言う難点が有ります。何も起きなければ、結界に因って地行術が弾かれたのか、それとも、元々、地行術自体が存在しない世界なのかが判らないと言う事。

 そして、罠を仕掛けて置く方法も有るのですが……。

 俺は少し、タバサを見つめた。
 無表情、更に無感情と思わせる少女。但し、本当はそんな事はない、普通の優しい心を持っている少女。
 この少女の目の前で、そんな残酷なマネを為して良いのか……。

 ただ、地行術は敵に回すと非常に危険な能力で有り、そして同時に対策を立てて置く事が可能な術でも有ります。

 突然、俺が黙り込んで彼女を見つめ出した事に、少し不思議そうな雰囲気を発しながら、俺の方を見つめ返すタバサ。

 流石に奇襲を受け続ける訳には行かないか。
 それに、呪われるのは彼女では有りません。俺の方なのですが……。

 まして、闇の襲撃者を放って来た連中と同じ組織から送り込まれた連中なら、任務の失敗イコール死の可能性も高い。
 ……かと言って、それでも、俺が罠を仕掛けて待ち伏せていたとしたら、その為に奪われる生命に対する責任が減る訳では有りませんし。

「成るほど。まぁ、それならそれで何か考えて置くか」

 少し……いや、かなり重い気分なのですが、罠を施すか、それとも結界で自動的に弾いて置くべきか。
 覚悟を決めて置く必要は有ると言う事ですか。


☆★☆★☆


 そして、五月(ウルノツキ)第一週(フレイヤノシュウ)、虚無の曜日。
 つまり、フェニックスの再生の儀式が行われる日と言う事です。

「それで、不死鳥がこの山で再生する儀式を行うのは判った。
 ガリア王家とアンタの間に何らかの盟約が有る事も判ったし、その内容が話せな
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