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蒼き夢の果てに
第2章 真の貴族
第19話 不死鳥
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家なのですからね。

 まして、神界の状況がこの世界に何か影響を与えている可能性も有ります。いきなり、暗殺者の魂が彼らの冥府に引き込まれるような状況は、いくら何でも異常過ぎます。
 このタイミングで古の盟約の履行を要求される時期が来るって、少々、出来過ぎの様な気もするのですが……。

 俺の言葉に少し考えてからひとつ首肯くタバサ。彼女の発している雰囲気から察すると、特に不満げな雰囲気は有りませんか。
 そうだとすると、彼女がどうしても試して見たかった訳でもないとも思いますね。多分ですけど、彼女に与えられた仕事の大半を俺と、俺の式神達が処理して行く現状が少し不満と言うか、俺に対して申し訳ないと言う気分だと思います。

 しかし、使い魔と主人の関係って、大体そんな感じに成ると思うのですが。
 俺と式神の関係もそうですから。基本的に俺に出来ない事は、彼らに丸投げですからね、俺は。
 俺に出来ない事を補って貰う。それが、俺と式神の関係です。そして、タバサと俺の関係も、徐々にそう成って行くのが自然の流れだと思いますけどね。

 ただ、そのぐらいの事は、彼女にだって判っているはずです。

 そうだとすると、これは、矢張り召喚初日に、拉致事件に等しいと、俺が不用意に口にして仕舞った事が影響している可能性が高いですか。
 もっとも、彼女が、俺の事を同じ人間として扱ってくれて居る、と言う事の裏返しでも有るとは思うのですが……。
 ならば、もう少し、ふたりで仕事を遂行している、と言う感覚が持てたら、彼女もこんなに気にする事も無くなりますか。

「そうしたら、次の場所に移動するか」

 俺の言葉にコクリと首肯くタバサ。
 それに、次の結界材からは、タバサにも霊力の半分を賄って貰う心算ですからね。


☆★☆★☆


 俺の霊気とタバサの霊気が混じり合い、等間隔に配置された結界材のひとつに注ぎ込まれて行く。

「なぁ、タバサ。ひとつ聞きたい事が有るんやけど、良いかいな?」

 更に結界材を打ち込む作業をふたりでこなして行きながら、そう話し掛ける俺。
 ただ、予想以上に、タバサとの霊気の質の相性が良かったのは収穫でした。これならば、運が良ければ合体魔法のような物も行使可能かも知れません。
 もっとも、俺の行える合体魔法と言うのは、単純に同時詠唱で行う類の物ではなく、少々、リスクを伴う方法ですから、使いドコロの難しい術でも有るのですが。

 俺の顔をじっと見つめてから、ひとつ首肯くタバサ。

「この世界に地行術。地中を走り抜けるような魔法は存在するか知らないか?」

 再生の儀式の場所の上空に関しては火竜により守られている。これは、俺が直接火竜達を説得して回りましたし、導く者も守る事を確約してくれたので問題は
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