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蒼き夢の果てに
第2章 真の貴族
第19話 不死鳥
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、タバサに霊気の流れを見る能力が有ったのなら、結界材から立ち昇るような青白い霊気の柱と、それに伴って広がって行く霊気の波が見えた事でしょう。

 それで、あの襲撃者達の処理をジョルジュに任せてから、俺とタバサは火竜山脈の紅き山(モンルージュ)に舞い戻って来て、フェニックスの再生の儀式の場の防御の強化作業中です。

 もっとも、俺は本来、結界術をそれほど得意としている訳ではありません。そして、結界術のエキスパートの魔将ハルファスは祭壇の作製と物資調達に専念して貰って居り、この結界はダンダリオンの能力を俺の霊力で発動させて施している結界術です。

 それに、完全に再生の儀式の現場を覆って仕舞う様な結界を構築しますと、肝心のフェニックス自身が儀式の現場に接近出来無くなる可能性が有りますから、上空に関しては火竜に因る護りに任せる事と成りました。
 つまり、判り易く説明すると、結界術に因る内部に侵入不能となる塀や壁と言う物を作って、儀式の現場を守ると言う事ですね。

「まぁ、俺がもっと結界術が得意なら、結界材の距離をもう少し広い目に取る事も出来るんやけど、今の俺にはこれが限度なんや」

 但し、今回は、時間的な余裕が有るから俺の能力でも結界を施す事が出来ましたけど、戦闘中などに使用するには少し難しいですね。この程度の能力では。
 俺もまだまだ駆け出しのひよっこ程度と言う事ですか。

 尚、この山で行動するには、最低でもウィンディーネの加護で熱気を排除し続けなければ、マトモに行動出来ない状況はまったく変わってはいません。
 水着で行動する、と言う少しイケナイ想像をして見たのですが、流石にそれはマズイだろうと思い、その案は封印したのですが……。

 タバサが何か物言いたげな雰囲気で俺を見つめています。
 ……多分、俺のケシカラン妄想に気付いた訳ではないと思いますが……。
 そうだとすると、この感覚は……。

「今回、タバサが結界術を行使するのは無しや。確かに、口訣と導引。霊力の制御は式神達に任せたら問題なく発動する可能性は有る。後は、イメージ力だけやからな。
 せやけど、今回は初めての術を、ぶっつけ本番で為して良いタイミングではないと思う」

 多分、彼女が何か言いたい事が有るとするならば、この部分でしょう。そう考え、この台詞を口にする俺。

 それに、古の盟約とやらが何の事なのか未だに聞いていないけど、おそらく、そう簡単に反故に出来るような盟約でもないと思います。もっとも、俺が聞いたからと言って、あの導く者と呼ばれている少女の姿形をした何ものかが、簡単に教えてくれるとも思えないのですが。

 何故ならば、俺やタバサは王家より任務を遂行する為だけに送り込まれた人間で有って、その盟約とやらを実際に交わしたのはガリア王
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