第2章 真の貴族
第19話 不死鳥
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と成っている」
成るほど。彼女に予知に類する能力が有って、危機を警告する為に先ほどの台詞を口にした訳などではなく、単に、そう言う儀礼だから口にしたに過ぎないと言う事ですか。
但し、何かが起きつつ有ると言う可能性も否定出来ない台詞と成っているのは確かなのですが。
それだけ告げると、ブリギッドは顕われた時と同じような唐突さで姿を消して終った。
彼女の残り香とも言うべき、炎の気を残して……。
いや、ある意味、この山……もしくは、火竜山脈に居続ける限り、彼女の気を感じ続ける事と成るのかも知れないのですが。
成るほど。これで、今回の任務。極楽鳥の雛の護衛は終了と言う事なのでしょう。そう思い、自らの左腕に巻かれている古い腕時計に視線を送る俺。。
現在の時刻は午前五時の少し前、と言うトコロですか……。
そうすると、次は。
「あのな、タバサ。ひとつ聞くけど、今回の事件の顛末をオマエさんの上司に報告する必要が有るんやな」
俺の問いに対して、コクリと小さく首肯くタバサ。
成るほど。それに、これは当然ですか。フェニックスの印、そして、ブリギッドの印も、俺に与えられたモノでは無くて、古の盟約に従いガリア王家に与えられたモノです。この場には、この印を使って彼女を召喚して良い人間はいません。
タバサは騎士に任じられた際に、王家の一員からは外されていますから。
つまり、事の顛末の報告と共に、古の盟約の履行に因って得られたフェニックスとブリギッドの印を、ガリア王家に渡す必要が有ると言う事ですから。
「そうしたら、何かを腹に入れてから少しの睡眠を取り、それからジョルジュのトコロに行こうか」
俺の台詞に、少し不思議そうな気を発するタバサ。そして、
「仮眠の前に朝食を取るのは了承出来る。でも、その後に、ジョルジュ・ド・モーリエンヌの所に向かう理由が不明」
……と普段通りの口調で言った。そこに、別に疲労の色を感じさせる事など無く。
但し、彼女が疲労していなくても、俺が疲労しています。出来る事ならば朝食を取った後に、少しの仮眠を取りたい。そして、その後に……。
「あそこの家の領地には、温泉が有ると言う話やろう?」
俺の言葉にひとつ首肯いてから、少し考える仕草のタバサ。
そして、
「了承した」
……と短く答えた。
もっともこの世界に、もらい湯と言うシステムが有るかどうかは判らないけど、少なくとも王宮に出向く前には身支度を整える必要が有ると思います。
それに、あの竜殺し殿にも、この紅き山で起きた事のあらましぐらいは知る権利も持っているとも思います。この不死鳥再生の儀に関しては、元々、彼の一族の仕事だったはずですから。
そうしたら、最初は朝飯
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