第2章 真の貴族
第19話 不死鳥
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少女を狙っていた連中の前にタバサが現れたから襲われたのではなく、宗教絡みの厄介事に、彼女が巻き込まれているのならば、なのですが。
「せやけど、この襲撃者達の魂は、そんな事をせずとも、自らの意志か、それとも別の存在の意図かは判らないけど、既に冥府への道を開いて消えて仕舞っていた」
己の全存在を掛けてレンのクモを召喚したあのピエールと言う魔法使いとは状況が違います。この襲撃者達は、死する事に因って何かを為した訳では有りません。
ただ、どう考えても、タバサが宗教の方々に関係しているとも思えないのですが。
「なぁ、タバサ。あの襲撃者達は、どう考えてもオマエさんの身柄の拘束を目標にして、俺やジョルジュの排除を行ったように思えるんやけど、タバサの方に、何か宗教絡みの方で狙われるような覚えはないか?
例えば、狂信的な思想を持つ宗教に恨まれるような任務をこなした事が有るとか」
もっとも、普通に考えるならば、そんな任務がタバサに命令される訳はないのですが。
何故ならば、もし、そんな任務が現実に有ったとしても、それは危険な事が判り切っている任務ですから。
影から彼女の事を護って居たような護衛が付いているタバサに、そんな危険な任務が命令される事は少し考えられないでしょう。
但し、物事は常に最悪の事態を想定して行動すべきです。少なくとも、最悪の想定を頭の隅にでも置いて置けば、その最悪に事態に直面した際にも、的確に行動出来るように成りますから。
俺の問い掛けに対して、案の定、タバサはふるふると首を横に振って答えた。これは否定。
そして、
「わたしには、心当たりがない」
……と答える。確かに、普通に生きて来て、宗教の方から暗殺者を派遣される生き方などに成るはずは有りません。
しかし、それでは……。
「それやったら、この襲撃者達のバックを調べる方法が、ジョルジュには何か有るか?」
それならば、今度はジョルジュの方を向いてそう尋ねてみる。
……と言うか、ガリアの御家騒動の方に宗教の方が深く関わって来ている、と言う話の可能性の方が高いですか。
確か、地球世界のフランスでもユグノー戦争と言う、プロテスタントとカトリックの争いが有って、かなり血生臭い闘争に発展したはずですから。
例えば、ガリアの御家騒動が、知らず知らずの内にプロテスタントとカトリックとの争いに成っていた可能性は有ると思います。カトリックのメアリー一世とエリザベス一世の女王位を巡る争いのように。
俺の問いに、こちらも首を横に振るジョルジュ。そして、
「流石に、この種類の暗殺者は、任務に失敗する事を想定して、自らを指し示すような物品は所持していないものです」
……と、至極、真っ当な台詞を続けて来た
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