勘違い系中忍MIZUKI爆誕
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後
この化け狐は、本当に、自分の知る彼なのだろうか?
アカデミー卒業試験に落第し、1人ブランコで黄昏ていた化け狐―うずまきナルトに声をかけた
我ながら虫唾が走る、善意を貼りつけた笑みを浮かべて
「ナルト君・・・その、今回は残念だったね・・・」
三回目の落第だ
落ち込んでいるに違いない
そう思いながら声をかける
嘲笑いたくなるのを抑え、なるべく、なるべく悲しげな声を出す
ざまぁみろ、そう言ってやりたかった
全てを奪っていった化け狐にはお似合いだ
死んでいった仲間達、親類そして――彼女
皆お前のせいで死んでいったのに、お前だけ生きている
お前だけのうのうと笑って生きている
許さない
そしてこいつを殺さない里の上層部も、許せない
だから俺は木の葉を見限ったんだ
情報と秘術の巻物を引き換えに、俺は里を抜ける
そのためには、このガキに全ての罪を押し付ける
俺が里を抜け、ガキが殺されるようにするために計画を整えた
後はガキが巻物を盗み出すよう唆すだけ
ガキを騙すなんて朝飯前だ
突拍子もないウソに騙されるのがアカデミー生
”優しいミズキ先生”の言葉が嘘なわけがないと信じる馬鹿な子供たち
特にこいつは騙されやすい馬鹿だ
そう、思っていたのに
声をかけ、巻物の話をした俺へと振り返る化け狐は・・・まるで別人のようだった
「あのですね、不合格を合格にさせるような温情が・・・あるわけがないでしょう
どんな事情があろうとなかろうと、不合格は不合格
それを取り消して特別試験?それも彼方の独断で?
どういう意味で試験を取り行おうと思ったんです?」
冷めた目が俺を射抜いた
誰だ?こいつは一体誰なんだ?
こんな熱の無い声を、こいつはしていたか?声変わりなんてものじゃない
全てにおいて、あの太陽のような明るさが消え去っていた
あの明るい笑顔がない
笑顔を見るたびに、死んでいった者を思い出してしまう、あの笑顔がない
いつものナルトが太陽なら、こいつは―――
「その、教師たるもの甘やかすことだけが教育ではないと思いますよ
いわゆる飴と鞭ですね
子供だからと飴ばかり与えていてはいけません
虫歯になっちゃいますから、たまには強制歯磨きもしてあげてください
それぐらい、出来るでしょ?
子供が好きで、教師になったんでしょ?」
やめてくれ
頭が真っ白になりながら、もう優しいミズキ先生の仮面は剥がれ落ちていった
確かに子供は好きだ
好きになるはずだった
だって彼女が笑っていたんだ
もうすぐ家族が増えると、2人の愛のあかしだと笑っていたのに
なのに
お前が、お前が彼女を、子供を
いつか、自宅でもアカデ
[8]前話 前書き [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ