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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第二十五話 喜悲劇への前座
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分達とそう変わらないであろう餓えた獣畜生。
「まあ、お膳立てはしてくれるみてぇだからな。相手してもらうぜ」
深い犬歯を剥き出しにした笑みを浮かべながら吸血鬼は嗤う。
「ああそうさ、ナウヨックスとメルクリウスの奴等が同種である様に俺とテメエは同類なんだよ。だから先にオッ死ぬなんてつまんねえことになるなよ」
白皙の吸血鬼はその時、つまりは遊佐司狼との決戦が訪れるまで待ち続けることを選んだ。
******
さて、時間か。
そう呟いたのは果たして誰か?誰もが同時に行動しだす。藤井蓮とマルグリット、遊佐司狼、櫻井螢の四人は立ち上がり学校から敵が待ち受けるであろう諏訪原タワーへと向かいだした。
ヴィルヘルムは待ち遠しいとばかりに月を見上げ天に牙を向き立ち上がった。
ナウヨックスは分体の二人と共にタワー内部から外へと向けて歩を進める。
そして彼等が主であり、宿敵であろうラインハルトもまた天高くから舞い降りた。
さあ、今此処に今宵最後の
恐怖劇
(
グランギニョル
)
が始まろうとしている。それが喜劇となるか悲劇となるかは未だ誰にも分かりはしない。
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