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ソードアート・オンライン 幻想の果て
十二話 夢の終わるとき
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に到達していた。狙い過たず、アルバを捉えたその槍は彼の腹部を貫き、投撃の威力のあまり吹き飛ばすようにその身を浮かせていた。

その一投は残り僅かだったアルバのHPを余すことなく削り取った。激しい戦闘、そして高位スキルの連続使用に耐久値が限界を迎えたらしく、突撃槍(ランス)の槍身にピシリとひびが生じる。

「ああ――」

視界の端にゼロの淵へと向かっていくHPバーを収めながら、アルバは槍を投げ放った少年の方を見ていた。こんな技は最前線でも誰も見たことがないだろう、ユニークスキルというプレイヤーの中でただ一人にしか発現しないというというものの名がアルバの頭に浮かぶ。

「ハハハ……いくらなんでもすごすぎだろお前。まあ……これはこれで、ありかな」

最後の瞬間、アルバが浮かべた表情は笑みだった。やり残したことは多くあったけれども、彼のお陰で、最後まで自分はこの世界の住人として生きることが、出来たのだからと。突撃槍(ランス)がひび割れポリゴンの欠片へと変じて砕け散ると同時に、アルバの体もまた乾いた破砕音とともにポリゴン片へと分解され、消えた。
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