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ソードアート・オンライン 幻想の果て
十二話 夢の終わるとき
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。しかしシュウは即座に突いた突撃槍(ランス)を跳ね上げその護拳で迫る剣の腹を打ち上げ軌道を逸らす。

「チッ!」

ならば――と両手剣が流される勢いを殺さずそのまま片足を軸に体ごと回転し、一周させた剣を再度シュウ目掛けて打ち込む。切り返す手間を省いたその斬撃は威力、速度共に申し分ないものだったが咄嗟に掲げられた左の盾により直撃は阻まれる。

だが大きな金属音を響かせたその衝突を受け流しきるまで至らなかったようで、盾の陰でシュウが顔をしかめる。手応えからもそこそこのダメージを与えることができたことが感じとれる、しかし強引な連撃の直後に出来た僅かな隙を見逃す相手でもなかった。

一撃を加え後退しようとしたアルバの身をシュウが一息に突き出した突撃槍(ランス)が追い打つ。ソードスキルもかくやという勢いで放たれたその刺突を身をよじりながら避けようとするも、至近距離ということに加え武器を振りぬいた直後では十分な回避姿勢をとれず、避け切れなかった穂先が横腹をかすめ削り一条のダメージエフェクトを刻んだ。

視界の端で自身のHPバーが現象するのを確認しながら低く後方へ跳び構えを取り直す。戦闘開始から武器を打ち交わすこと数合、お互いに決定打を欠いてはいたが今のようなダメージ交換の攻防を繰り返し、アルバのHPは三割近くが削られイエローゾーンも近づいている。

シュウのHP残量も似たようなものだろう、自分が得意とする一撃離脱戦法がまともに通用しないことに内心アルバは舌を巻いていた。アルバが繰り出す一撃一撃の威力は決して低いものではない、どころかマスターしている両手剣スキルによる補正、そして一撃が重くなる(トップヘビー)武器の特性を生かした攻撃の威力は攻略組にも迫るだろうと自惚れ抜きに自負していた。

そんな攻撃を受け続ければもうシュウのHPはイエローゾーンを割っていてもおかしくはないはずだがそんな手応えはない。それほどの低ダメージに押さえこんでいるのはひとえに彼の防御技術の巧みさ故だろう。

避けるというのならば攻撃に反応さえできたなら後は単純に運動能力の問題だ。しかし防御となれば話は違う。なにせ相手は全力で武器を振るいつけてくるのだ、ただ武器や盾を構えるだけではエネルギーの差で吹き飛ばされるだけである。剣などでそれを行った場合は下手をすれば押し込まれた自分の武器で自分を傷付けることすらある。

正しく攻撃を受け止めようとするならしっかりと姿勢を固め盾に用いる獲物を支えなければならないがその場合でも受け手にかかる負担は大きい。しかも彼のようにダメージを逃がすため衝突直後に攻撃の軸を逸らし受け流してみせるのはもはや達人芸だ。

防御用の盾だけで行っているのならばまだしもシュウは右手の突撃槍(ランス)に備わる護拳ですら同様の防御を披露して
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