第18話 魔導師がやって来ました………(前編)
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白の持っている宝石は真白にとって大事な物なんだ。渡してたまるか」
「そうね、それにアンタかなり胡散臭いし、渡しても証拠隠滅とか言って殺しそうよね」
「僕達を舐めない方がいい………」
そんな3人の答えに相手だけでなく、真白ちゃん、ルーちゃん、エリオ君、そして私も驚きました。
「………お前逹、本当に子供か?中身は大人って事は無いだろうな?」
「さあ、だけど子供だからって舐めない方がいいぜ」
そう言いながらエローシュ君は手でサインを出しました。
そのサインは鬼ごっこでよく使うもので、手の向けた先にどのくらいのスピードで走るとかを、指の数で指示する物です。
(全力に真っ直ぐ逃げる………)
「まあいい、どっちみち力づくで負ける事はありえない。さっさと終わらせよう」
そう言って男の人が指示を出すと一斉に狼達が私達に向かって駆け出したました。
「今だ!!」
エローシュ君の合図でみんな一斉に走り出します。
ですが、所詮子供の足、直ぐに追いつかれそうです。
「ハハハ、頭は良いみたいだが所詮やはり子供………」
「必殺、唐辛子煙幕!!」
エローシュ君が地面にスーパーボールの様なボールを思いっきり叩きつけると、そのボールから赤い煙が巻き起こりました。
「キャウン!!」
狼達はモロに吸ってしまったのか、その場で蹲り、とても苦しそうにしています。
「なっ!?あのガキ………!!」
そして私達は再び、エローシュ君の手サインを見て、それぞれ別れました。
エリオ君、ルーちゃん、佐助君。
私、夏穂ちゃん、エローシュ君、真白ちゃんと2組に。
「くそっ!?2組に別れやがった!!手柄を独占するチャンスを………これが上手く行けば組織でも幹部に上がれるのに………くそっ!!早く奴等を追え!!!」
男の人の声が響く中、私達は一生懸命走り続けました………
『これであの狼の嗅覚は完全に使えなくなった。この商店街は結構複雑だ、簡単には見つからない………』
「俺達の庭だしな」
商店街の八百屋さんの二階からエローシュ君が別れた佐助君に連絡をかけました。
簡易トランシーバーです。
小さいのがウリらしく、サイズは推理漫画にあった探偵バッチ位です。
『これからどうするエローシュ?』
「建物の中、2階や3階で身を潜めよう。俺達じゃあの狼を倒せる策が………無いわけじゃ無いけど危険過ぎる。助けを待って粘った方が良い」
「そうね、あんな狼に私の技もかけられないし………」
「エローシュ君、真白ちゃん、それは………」
『無理だよ、これは封時結界って言ってたでしょ?普通の人じゃ気がつかないし、あの人が言ったことが本当かどうか分からないけど、特別性って
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