第十五話 正義の使者ガイヤー
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第十五話 正義の使者ガイヤー
ティターンズはかっては連邦軍の一部隊であった。一年戦争後混迷を深める地球圏の防衛及び治安維持の為に設立された部隊であり連邦軍の最強硬派として知られるジャミトフ=ハイマン大将の提唱で設立された。この部隊は精鋭部隊として独自の機動力と戦力を持つ独立部隊であった。その前線指揮官にはジャミトフの腹心であるバスク=オム大佐が就任していた。
彼等は軍服も連邦軍のものとは異なり、階級も連邦軍のものより一つ上とされていた。そして地球出身者によって構成されアースノイド至上主義を掲げていた。これはジャミトフの思想に依るものであったがこれは隠れ蓑に過ぎなかった。正確に言うならばティターンズが連邦軍に存在することそのものがそうであった。
ジャミトフの本音は権力の掌握であった。地球圏を掌握し、ダカールでの年次総会で連邦政府を完全に手中に収めんとした。
しかしそれはロンド=ベルによって防がれバルマー戦役の後再度権力を掌握せんとマクロスを奪おうとしたが再度彼等に敗れた。
これによりジャミトフはティターンズを宇宙に引き揚げさせた。そして旧ア=バオア=クーを改造しそこにルナツーを移動させ一大軍事基地を建造しそこに立て篭もった。そこをゼダンの門と名付けた。
それと共にサイド3、すなわちジオン共和国と接近し木星とも同盟を結んだ。彼は表向きはアースノイド至上主義を掲げてはいたが実質的にはジオン公国、とりわけギレン=ザビの思想に共感しており彼等との接近も抵抗がなかったのである。またティターンズ自身かってジオンにいた軍人や技術者が多くその実態はジオンだと揶揄する者すらいた。その彼等がかってのジオンの基地にいるのは皮肉なことではあった。今ジャミトフはそのゼダンの門の司令室にいた。
実務的な質素な司令室であった。頑丈そうな机と応接間の他はこれといってない。彼はその中央に立っていた。
白い髪と顎鬚を持った険しい顔の男であった。まるで鷲の様な顔をしている。とりわけ目が鋭い。そして黒く丈の長い服に身を包んでいる。やや小柄な印象を受けるがそれは目の前にいる男が大柄なせいであった。
「ギガノスの動きはどうか」
その男ジャミトフは前に立つその大柄な男に問うた。
「ハッ」
男は低い声でそれに応えた。ティターンズの軍服を着たゴーグルの様な眼鏡の男であった。
「今のところ積極的な動きはないようです」
彼はそう答えた。彼がバスク=オムであった。ティターンズの前線指揮官である。
「そうか」
ジャミトフはそれを聞いて頷いた。
「やはりロンド=ベルの動きを警戒しているのか」
「いえ、そうではないようです」
「どういうことだ」
ジャミトフはそれを聞いてバスクを見上げた。
「何か別の作戦を立てているのか」
「火
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