第十五話 正義の使者ガイヤー
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まして。北海道って寒いんですよね」
「そのかわりラーメンは美味しいよ」
アキトは彼を慰めるようにしてそう言った。
「ラーメンですか」
「そうだよ。実は俺こう見えてもコックなんでね」
「将校なのにですか」
「おかしいかな。確かに連邦軍ではパイロットは将校以上でないとなれないけれど」
以前は下士官でもなれたのだが制度が変わったのである。これはかってのアメリカ軍等に倣ったものである。それまでは旧日本軍やソ連軍に倣っていたのであるが兵制改革によってそれが改善されたのだ。それにより士官学校卒業者でなくとも大尉以上になれるようになった。もっとも将官ともなると流石にそうそう士官学校卒業者以外はなれないのだが。しかし連邦軍もそれなりに変わっているのは事実であった。アムロが少佐となったのもここに理由がある。彼程のエースパイロットが何時までも大尉のままで燻っているのは宣伝としても都合が悪いのでは、という考えがあったのだ。
「けれど将校が料理をしちゃいけないってことはない筈だよ」
「はい」
「よかったら一緒に食べに行こうよ。ご馳走するからさ」
「本当ですか!?」
「じゃあ俺も」
オデロがそれを聞いて話に入って来た。
「一回地球のラーメン食べてみたかったんですよ」
「いいよ。誰でも。喜んで奢らせてもらうよ」
「やったぜ、アキトさんって優しいよな」
「そうだね。何か地球に行くのが楽しみになってきたよ」
「それは何よりだ」
ブライトはそれを聞いて嬉しそうに頷いた。
「私も久し振りの地球だからな。嬉しいと言えばそうなる」
「ブライト大佐はジンギスカンでもどうでしょうか」
ここでユリカが話を振ってきた。
「ジンギスカンか。悪くはないな」
どうやらブライトも乗り気なようである。まんざらでもない顔をした。
「そういえばアムロと二人でよく食べたな、ジンギスカンは」
「そうだったのですか」
「ああ。もっとも最近はお互い別の艦に配属されて会ってはいないがな。それまではよく一緒にいたものだ」
「ブライト大佐とアムロ少佐のお付き合いは長いですからね」
「そうだな、一年戦争の時以来だからな。あの時はまだお互い若かった」
ブライトはルリにそう言われて昔のことを思い出した。その目に懐かしいものが宿っていた。
「アムロもその時はどうしようもない奴だったな」
「えっ!?」
それを聞いてそこにいる全ての者が驚きの声をあげた。
「あのアムロ少佐が!?」
「連邦軍きってのエースパイロットが!?嘘でしょう」
「嘘ではない」
ブライトは皆にそう答えた。
「最初はな。アムロもいじけてばかりで暗くてな。それでよく喧嘩もした」
「そうだったのですか」
「私もまだ新米でな。何もわからずオロオロしているだけだった。だが共に戦っているうち
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