第十三話 ドクーガ現わる
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っていう連中か?」
「ああ。世界経済を影に牛耳る悪の組織だ」
「またわかり易い組織ね」
「今時珍しいというか」
シモーヌとベッキーがそれを聞きながら突っ込みを入れる。
「それでそのドクーガの野望を阻止するのが俺達の役目だ」
「これもわかり易いかしら」
「というかありたきり」
ミオも言う。
「もっと凝った設定でないと最近受けないよ」
「ううむ、困ったなあ」
「今更そんなの変えられないしね」
「ここはキャラクターで目立つしかないな」
「・・・・・・まあキャラは立ってるな」
ショウがそれを聞いて呟く。
「嫌になる程な。そこにいる旦那は俺と同じアメリカ人みてえだが」
「ん、アメリカ人がいるのか」
キリーがそれに反応した。そしてトッドに顔を向けた。
「ん、ああ」
「何だ、オーラバトラーにいたのか」
「トッド=ギネスっていうんだ。宜しくな」
「おう、俺はキリーだ。前話したよな」
「そういえばそうだったかな」
「覚えていてくれよ、俺はこれから有名になる男なんだからな。もっともその前からあまりよくないことで知られていたけれ
どな」
「ブロンクスの狼ってな」
「あの頃のキリーは相当だったらしいわね」
「止めてくれよ、昔の話は」
真吾とレミーに言われて少し照れたふりをする。
「あの頃の俺じゃないからな」
「へえ、あんたニューヨーク出身か」
「まあな。そういうあんたはどうなんだ」
「俺はボストン出身だ」
「ほお、いいところにいるな」
「といっても落ち零れだがな」
「いやいや、謙遜はいいぜ」
「へえ、トッド、あんたボストン出身だったんだ」
ベッキーがそれを聞いて言った。
「そういやあんたはイロコイだったよな」
「まあね」
「あたしも一応アメリカ人だよ。移民だけれどね」
「リューネもかい」
「ポーランドからね」
実はポーランドからアメリカへの移民は多いのである。アメリカは元々イギリスからの移民によって建国された国であるが人種の坩堝という言葉通り多くの国からの移民とその子孫から構成されている。原住民であるネィティブ=アメリカンやイヌイット以外は他の国から来た者達である。その中でロシアやドイツ、オーストリアからの弾圧を逃れてアメリカに移民してきたポーランド系の者もいるのである。その数はかなりのものである。
「ポーランド系か。ちょっと見えねえな」
「あれ、そうかなあ」
「どっちかっていうとカルフォルニア辺りのヤンキーみてえだ」
「おう、そういやそうだな」
キリーとトッドは意気投合したかのように声を合わせてそう言い合った。
「好き勝手言ってくれるね、あんた達」
「ん、気を悪くしたか」
「だったらすまねえ」
「まあ別にいいけれどね」
しかしそのようなことを特に気にするリュ
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