第十三話 ドクーガ現わる
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「わかっている」
カークスは三人の言葉に笑いながらそう答えた。
「それでは彼等をそれぞれの部屋に案内してくれ」
そう言って部下の一人に声をかけた。それを受けてその部下が三人に声をかける。
「こちらです」
「了解」
こうして三人はそれぞれの部屋に入った。こうしてラングラン軍にあらたな仲間が入ったのであった。
「そうですか、彼等も」
紫の髪の男は神殿の礼拝堂で話を聞いていた。暗い、石の柱が林立する部屋であった。
「はい。御主人様のお話通りでしたね」
小鳥が彼にそう話していた。
「これでこっちはあらかた揃っちゃいましたね」
「そうですね」
男は小鳥にそう答えた。
「後は最後の詰めです。ところでチカ」
「はい」
「彼等はどうしていますか」
「ドレイク達ですか」
「ええ」
「それならそろそろですね。ルオゾール様がそっちに向かっておられますから」
「そうですか」
「連中がいなくなったらシュテドニアスの奴等慌てふためきますよ」
「そうでしょうね」
「そこで御主人様の登場ですね」
「チカ」
ここで彼は小鳥の名をまた呼んだ。
「はい」
「あれの用意もできていますね」
「勿論ですよ」
チカはそう答えた。
「何時でも出られますよ」
「それは何より」
男はそれを聞いて満足そうに笑った。
「それでは私も行きますか」
「いよいよですね」
「ええ。それでは貴方も来なさい」
「えっ、私もですか!?」
チカはそれを聞いて驚きの声をあげた。
「私はちょっと・・・・・・」
「嫌なのですか」
「いや、そういうわけじゃないんですけれどね。都合がありまして」
「言っておきますが貴方は私のファミリアなんですよ」
「それはわかっていますよ」
「ならいいですね。どのみち私が死ねば貴方も消える」
「はい」
「そういうことです。問題はありません」
「それはそうですけれどね」
それでもチカはまだ不満そうであった。それも大いに。
「何も貴方をハイ=ファミリアにして出すことはしませんよ」
「元々あれにはそんなの装備されていないじゃないですか」
「今のところはね」
彼はここでこう言った。
「ですがまだ改造の余地はありますよ」
男は楽しむようにしてそう言った。
「まだまだね」
「驚かさないで下さいよ」
チカはその言葉にたまりかねてこう言った。
「そんなのできるわけがないじゃないですか」
「ふふふ」
だが男はそれには答えずただ笑うだけであった。澄んではいるが何処か闇を潜ませた笑いであった。
「まあ話はそれ位にしまして」
「はい」
「行きますよ。歯車を動かす為に」
「わかりました」
こうして男とチカは神殿を後にした。そして静かに目指す場所に向かうのであった。
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