第十二話 火星からの亡命者
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そう言った。
「リリーナのいるあの艦をやらせるわけにはいかないからな」
「フッ、そういうことか」
ノインはそれを聞いて笑みを作った。
「それも変わらないな。御前らしいというか」
「そうか」
しかしヒイロは褒められても感情を表に出すことはなかった。
「だが戦いはまだ続いている。行くぞ」
「うむ」
彼等は今度はビームサーベルを出した。それで敵に斬り込む。
「やらせはしない」
銀河に天使が舞う。その手にする剣で敵を切り伏せていく。それはまるで黙示録に出て来る終末の裁きの天使達のようであった。
戦いはロンド=ベルのものとなってきていた。数では大きく劣りながら個々のパイロットの能力と兵器の性能が大きくものを言っていた。とりわけカミーユとジュドーの活躍は凄まじかった。
「出て来なければやられなかったのに!」
ZUのハイパーメガランチャーが火を噴くとそれだけで無数の敵が滅びる。ジュドーはZZの額のハイメガキャノンを放つ。
「いっけええええ、ハイメガキャノン!」
それで敵を屠る。彼等の行くところ敵はなくまさしく鬼神の如きであった。
「くっ、地球人ってのは話には聞いていたけれどここまでやるのかい!」
ネイも流石に戦局が自分達に不利なことをわかっていた。倒されるのは自軍のみであり敵は勢いを増すばかりであった。彼女は意を決し残りの者達に対して言った。
「撤退するよ、これ以上の戦闘は無意味だ」
「はっ」
「わかりました」
まずアントンとヘッケラーがそれに従う。彼等はアム、レッシィとの戦闘を止めネイのところに来た。
「全軍退きな。いいね」
「待たれよ、ネイ殿」
だがここにギャブレーが入ってきた。
「私はまだダバとの決着をつけてはいないぞ」
「ギャブレー」
だがネイはそんな彼に対して顔を向けて言った。
「まだ戦いはこれからなんだ、チャンスは幾らでもあるよ」
「しかし」
「言いたいことはわかっている」
ネイはまだ言おうとする彼に対して強い声でそう応えた。
「確かに負け戦ってのは嫌だよ。あたしも腹が立つ。だけれどね」
彼女は言葉を続けた。
「それを認めて引き下がるのも指揮官の務めだよ。いいね」
「うむ」
不承不承ながらそれに頷いた。ネイはそれを見届けて自軍にあらためて言った。
「全軍撤退!」
ポセイダル、そして木星の兵器はそれを受けて戦場を離脱した。ロンド=ベルはそれを追おうとはせずナデシコの周りに集結した。彼等にとって第一の目的は難民の保護でありそれを優先させたのだ。
「行ったか」
「そのようですね」
シナプスは艦橋でパサロフの言葉を受けていた。
「中々手強い敵だったが。何とか退けたな」
「はい。ですがあの攻撃はまだまだ序の口でしょう」
「だろうな。バルマーの力は底知
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