第十話 悪友との再会
[17/17]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
は妖精の話が多いことでも知られている。
「そうだったのか。道理で」
「ああ」
「あたしもそうしたことにはわりかし詳しいつもりだけれどね」
ベッキーがここで言った。
「あんたもか」
「あたしはネィティブ=アメリカンだからね。インディアンなのさ」
「それでか」
「ああ。だからそうしたことがわかるんだよ。もっとも魔装機に乗っていれば自然とわかるようになるさ」
「そうなのか」
「あたしもね。最初は何がなんだかわからなかったけれど」
シモーヌも言う。
「今じゃ精霊の名前使った技も使えるしね。ファタ=モルガーナっていうんだ」
「ファタ=モルガーナ」
「今じゃアルカンシエルさ。虹の精霊だよ」
ファタ=モルガーナはプロコフィエフのオペラ『三つのオレンジの恋』にも出てくる妖精の魔女のことである。
「面白い技の名前だな」
「まあね」
「あたしもトーテムコールって技が使えるんだけれどね」
「それも精霊だな」
「そうさ。魔装機ってのは精霊をどうやって使うかが肝心なのさ」
「そうだったのか」
タダナオはそれを聞いて大きく頷いた。
「じゃあ俺もこれからジェイファーを乗りこなそうと思ったら」
「精霊の力を使うことだな」
「そうか」
彼はヤンロンの言葉を聞いて頷いた。そしてシュテドニアスの方へ顔を向けた。
「オザワ」
友の名を呼んだ。
「今度も俺が勝つぜ。楽しみにしてな」
そう言ってニヤリと笑った。そして彼等は戦場に向かうのであった。
「そうか」
ゾラウシャルドは自身の執務室で電話を受けていた。そして答えた。
「やはりな。所詮あてにはしておらぬさ」
どうやら戦局についての電話のようである。彼は目の前の壁にかけてある地図を見ながら電話の向こうの者に答える。
「そしてノボトニーは軍を無事に退却させたのだな」
彼はここで問うた。
「そうか。ふむ」
返答を聞くと今度は考える顔をした。
「ではそろそろいいな」
そして笑った。何かを企む顔であった。
「その時は頼むぞ。その為に貴官にあれを渡したのだからな」
電話を切った。それから再び地図に顔を向けた。そして呟いた。
「議会もある。ことは慎重にいかなければならない。しかし」
言葉を続ける。
「あの男はもう邪魔だな。退場してもらうか」
そう呟いた。そして一人地図を見て考えに耽るのであった。
第十話 完
2005・2・27
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ