第十話 悪友との再会
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調整不足のようだ」
「お待ち下さい」
だがここで彼を止める声がした。見れば厚化粧の年増の女である。
「ルーザ殿」
ビショットは彼女を見てふと感情を制した。
「ここは動くべきかと思いますが」
ルーザはそう提案した。彼女は実はドレイクの妻である。だが地上に出た時にこの艦にいたことからビショットと通じ今では愛人関係にもあるのである。名をルーザ=ルフトという。言うまでもなくリムルの母でもある。
「動くべきですかな」
「はい」
彼女はビショットにそう答えた。
「ドレイクに恩を売っておくのもよろしいかと」
「そういう考えもありますかな」
彼はそれを聞いて考えをいささか改めたようであった。
「ですがラングラン軍はかなりの強さと聞いております。しかもグランガランやゴラオンまでおります」
「はい」
「一度戦うとなるとこちらもかなりのダメージを負いますが」
「それならばシュテドニアス軍を楯をすればよいでしょう」
「ほう」
ルーザの言葉に眉を動かした。
「それならば我等の損害も最小限に抑えられます。要は戦いに参加したという事実があればよいのです」
「そういうものですかな」
「ええ。ですから今回はラングラン軍の前に姿を現わしたという事実さえあればよいのです。後はどうとでも言い繕えます」
「わかりました。それでは」
彼はそれを受けて家臣達に対して言った。
「出撃だ。よいな」
「ハッ」
家臣達はそれを受けて敬礼した。
「攻撃目標はラングラン軍。だが決して無理はするな」
彼は家臣達にそう命令した。
「そして赤い三騎士達も呼べ」
「はい」
「あの者達にも働いてもらう。よいな」
「ハッ」
こうして指示が次々と下る。そしてゲア=ガリング戦力を整え出撃した。目標は表向きはラングラン軍となっていた。そしてそれはすぐにラングランにも伝わった。
「やっぱりというか何というかだな」
マサキはそれを聞いて呟いた。
「あのおっさんが出て来る番だと思っていたよ」
「よくそれがわかったな」
ヤンロンが彼に対して言った。
「いや、実はあの連中同盟を結んでいてもやたら仲が悪くてな。しょっちゅう足の引っ張り合いをしていやがるんだ」
「利害だけで結びついているということか」
「ああ。だから大抵戦場でも自分の利益を優先させるんだ。三隻揃って出て来たことなんか滅多にねえんだな、これが」
「何か歴史書を見ているみたいだ」
それがヤンロンの率直な感想であった。
「だとすると今後も彼等との戦いはそうしたことを見極めていく必要があるな」
「まあな」
マサキはそれに答えた。
「けれど手強いのはウィル=ウィプスだな。後の二つは正直大したことはねえ。特に今度出て来るゲア=ガリングは戦闘力
自体はあまりねえんだ」
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