第九話 宇宙からの来訪者
[2/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ロやカミーユと似ているな」
「それでパイロットになるんだから世の中不思議ですよね」
「だがパイロットとしての技量はそれなりにあるらしい。一応将校待遇ということになっている」
「パイロットですからね」
連邦軍においてはパイロットは将校となっている。責任が伴うからである。
「だが実際は下士官にかなりしごかれているようだがな」
「ははは、軍じゃよくある話ですよ」
「そうそう、軍といえば鬼軍曹ですからね」
実際に軍隊においては士官より下士官の方が重要視されるのだ。将校で戦争をするわけではない。下士官で戦争をするのである。その為先任下士官ともなればその発言力はかなりのものである。彼等がいなくては軍は成り立たないのだ。
「よくわかったな。その三人を鍛えているのは軍曹だ」
「誰ですか?」
「ベン=ルーニー軍曹だ。知っているか」
「知らないですねえ」
「別の部隊でしょう。ちょっと聞いたことが」
「そうか。部隊では何でも鬼軍曹で名を馳せているそうだがな。その三人をしごきにしごいているらしいぞ」
「それでその三人は言う事を聞いているんですか?」
「甚だ疑問らしい」
「でしょうね」
「うちの小僧達もたいがいなものですから」
二人はそれを聞いて納得したように頷いた。
「アムロ少佐みたいに素直な人ばかりじゃないからなあ」
「アムロだって最初はどうしようもない奴だったぞ」
ブライトはそれを聞いて苦笑しながら言った。
「そうだったんですか」
「ああ、一年戦争の頃はな。いじけてばかりいて本当にな。軍人としての意識も全くなかった」
「意外ですね。ロンド=ベルの伝説のエースパイロットが」
「よく喧嘩もしたさ。時には殴り合いになった」
「艦長も若かったんですね」
「そうだな・・・・・・と何を言わせる。私はまだ二十代だぞ」
「あ、これは失礼」
「全く」
ブライトは年齢のことを話に出され少しムッとした。
「確かに老けているとは言われているがな」
「はあ」
「だがあの頃は私も若かったな。士官学校を出たばかりで」
そう言いながら昔を懐かしむ目をした。
「何だかんだ言って自分で認めてるんじゃないか?」
「ああ。何かそういうところがアムロ少佐とそっくりだな」
「行動がいつも一緒だったから似るんだろ」
「成程」
二人はヒソヒソとブライトに聞こえないように話をしていた。ブライトはそんな二人に気付かず昔を思い出していた。
「思えば頼りない艦長だったと思う。だが多くの戦いを乗り越えて私もアムロも変わった」
「とりわけアムロ少佐は」
「そうだな。あそこまで凄い奴になるとは正直思わなかった」
「そうだったんですか」
「連邦の白い流星。今ここにいないのが残念だ」
「確かに。アムロ少佐もいるとグッと楽になるでしょうね。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ