第七話 戦国魔神
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」
「敵はそれだけ強い。わし等では相手にならん程にな。だから撤退するんや」
「トロイアまでですね」
「そうや。そこで地形を利用して戦えばちょっとは違うやろ。そしてそのまま本土まで撤退や」
「難しいですね」
「難しいいうてもやらな仕方あらへんで。わかっとるやろ」
「はい」
「今も後ろから来とるやろしな」
ロドニーはそう言いながら後ろを振り返った。
「それを何とか凌がなな」
「ですね」
艦長はそれに頷いた。
彼等は一路トロイアを目指していた。そしてそれはラングラン軍も同じであった。
「シュテドニアス軍は今何処にいるか」
フェイルはテントに設けられた臨時の作戦室において情報参謀に問うていた。
「ハッ、ここより南東に二百キロの時点をトロイアに向けて進行中であります」
「そうか。予想通りだな」
彼はそれを聞いて頷いた。
「では追撃部隊を派遣するとしよう」
「ハッ」
「そして同時でトロイア以北を奪還するのですな」
ここでカークスがフェイルにそう上奏した。
「その通りだ」
彼はその言葉に頷いた。
「まずはトロイア以北を奪還する。そしてそれからシュテドニアス軍を彼等の国境まで押し返したい」
「わかりました」
「その指揮は将軍に執ってもらいたいのだが」
「私にですか」
「そうだ。出来るか」
「わかりました」
カークスはそれに頷いた。
「謹んで承ります」
「うむ。本来は私が行くべきなのだが」
フェイルはここで表情を曇らせた。
「少し気になる気配を察知してな」
「気配」
「ああ。魔力だ」
フェイルの魔力はかなりのものがある。だからこそそれを察知することができるのだ。
「クリストフの気を感じるのだ」
「まさか」
それを聞いたカークスはまずその言葉を否定した。
「そんな筈がありません。クリストフ殿下はもう既に」
「その筈だな。マサキ達に倒された」
「はい」
「だが感じるのだ。北の方からな」
「北から」
「そうだ。そして徐々に南下してきている。その気は次第に強くなってきている」
「まさかまたラングランを狙って」
「その可能性は否定できないな」
「それでは」
「そうだ。それに備えて私はラングランに留まる。申し訳ないが前線の指揮を頼むぞ」
「わかりました。それでは」
「うむ。だが一つ気になることがまだあるのだ」
「それは何でしょうか」
「そのクリストフの気だ」
「はい」
「どういうわけかわからないが以前の様な邪悪さは感じられない」
「そうなのですか」
「むしろラングランにいた頃のクリストフのものに近い。これがどういうことなのかはわからないが」
「しかし油断はできませぬぞ。クリストフ殿下とあのグランゾンは」
「わかっている。だからこそ私が王都に留まるの
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