第四話 聖戦士
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たものよ」
セニアが答えた。
「変に飾り立てても意味がないから。だから質素な造りにしてるのよ」
「そうだったんですか」
「けれどこの王宮も戦争でかなり傷んじゃったしねえ。まずいかなあ」
「建て直しですか」
「落ち着いたらね。けれど今は駄目」
「はい」
戦争をしている以上王宮の再建は二の次であった。その程度の分別のないフェイルでもセニアでもなかった。
「これは兄さんが考える話だけれどね。あたしにはあまり関係ないけれど」
「その割にセニアって結構色々やってるよね」
「仕方ないじゃない」
リューネに返した。
「モニカは今行方不明だし。テリアスも」
「そうだったね」
リューネはそれを聞いて少し暗い顔になった。
「何か色々とあったみたいだな」
タダナオはそれを聞いて思った。だが口には出さなかった。
「着いたわよ」
セニアは大きな木の扉の前で二人に言った。
そしてその扉を開ける。それから二人を扉の向こうに入れた。
「兄さん、二人を連れて来たわよ」
「おお、済まないな」
そこには円卓があった。フェイルはその中央に座っていた。立ち上がり三人を出迎えた。
「じゃあ三人共空いているところに座ってくれ。すぐはじめよう」
「了解。ところでマサキは?」
「もういるぜ」
ここでマサキの声がした。見ればもう座っていた。
「あら、珍しいじゃない。もういるなんて」
「私が一緒に来たからな」
フェイルが妹にそう説明した。
「そうだったんだ。保護者同伴だったんだ」
「うるせえ」
マサキはセニアの言葉にふてくされた顔をした。
「どうせ俺は方向音痴だよ」
「まあそれは置いておいてだ」
フェイルは話を先に進める為に半ば強引にその話を終わらせた。
「すぐに今回の作戦会議に入ろう」
「わかったわ」
セニアは頷いた。そして三人はそれぞれ空いている席に座った。見れば魔装機のパイロットは全員揃っている。
「今の戦局だが」
フェイルは一同に説明をはじめた。その後ろにはラングランの地図がある。彼はそれに振り向いた。
「我々は王都を奪還した。そして今国土の大部分を奪還した」
「はい」
「だがシュテドニアス軍はまだかなりの占領地と戦力を維持している。そしてその戦力を王都の東方に再集結させている」
「まだ戦うつもりのようですね」
ヤンロンがそれを聞いて言った。
「そのようだな。魔装機だけでかなりの数に及んでいる」
「どれ位ですか?」
テュッティが問うた。
「八十機程か。他にも戦車や移動要塞等が存在している。王都に駐屯していた戦力とほぼ同じ程度だ」
「そうですか」
「それだけではない。どうやら本国から援軍が来ているようだ」
「援軍!?」
「詳しいことは不明だがかなりの戦力らしい。それ
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