第四話 聖戦士
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王都の奪回は不可能だろう」
「それどころかあちらさんにもあれがつきましたわ」
「オーラバトラーか」
「はい」
彼はロボトニーに答えた。
「それもこっちのよりずっと強そうでしたわ」
「そんなにか」
「はい」
彼は答えた。
「少なくともこっちにいる連中よりは信用できそうですわ」
「それは言うな」
ロボトニーは顔を顰めた。彼もドレイク達は信用していなかった。
「だが厄介なことになったな」
「ええ」
「今までの敗戦でこちらの戦力は著しく低下している。そのうえこちらのオーラバトラーよりも強力な者達があちらについたとなれば」
「どうしようもないかも知れませんな」
「それでだ」
彼はここで言った。
「トロイアまで戦線を後退させることになった」
「やっぱりそうなりますか」
「その指揮は私が執る。すぐにそちらに向かう」
「はい」
「撤退の援護は特殊部隊が行なう。ラセツ大佐が」
「あの男がでっか!?」
電話の声の主はそれを聞いてあからさまに不機嫌な声を出した。
「嘘でっしゃろ」
「嘘ではない」
ロボトニーは残念そうな声でそう答えた。
「しかもまだある」
「何でっしゃろ」
「バイラヴァを投入するらしい」
「・・・・・・お言葉ですが」
彼はあらたまってロボトニーに言った。
「あれは危険でっせ。今出したら何が起こるか」
「それは私も大統領にそう申し上げた」
「けどあかんかったということですな」
「そういうことだ。大統領とラセツ大佐の関係はわかっているな」
「はい」
「ならばこれ以上は何を言っても無駄だ。今は我々に出来ることをしよう」
「わかりました。後一つ気になる話があるんですが」
「?何だね」
「いや、まああまりあてにならん話ですけど」
「噂でもいい。軍事に関することだな」
「はい。何でもクリストフがこっちにおるらしいですわ」
「馬鹿な」
それを聞いたロボトニーの顔が一気に蒼白となった。バイラヴァの話を出しても表情を変えなかった彼が今その顔を白くさせたのである。
「確か死んだ筈だが」
「わいもそう聞いてましたけど」
彼は電話の向こうで首を傾げていた。
「北の方で展開していた部隊が一つ壊滅しまして。その生き残りが言うてるんですわ。たった一機の魔装機にやられたて」
「魔装機」
「けどそれだけの力のあるラングランの魔装機は全部王都の方に来てます」
「うむ」
「それにその魔装機はやけにゴツい形で青かったらしいですから。そんなんいうたら」
「あれしかないな」
「はい。どうしますか?」
「それは北の方に出たのだな」
「ええ」
「では北の方に展開している部隊はすみやかに後退させよ。私が来る前にな」
「わかりました」
「あれが出たとなると事情は変わってくる」
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