第四話 聖戦士
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「損害は」
彼はなおも問うた。
「右側面が中破しました」
「そうか。まだ戦えるか!?」
「これ以上は難しいかと」
部下は畏まってそう答えた。
「わかった」
ドレイクはそれを聞いて頷いた。
「撤退だ。オーラバトラー部隊にもそう伝えよ」
「ハッ」
「バーンにもだ。殿軍を受け持つように伝えよ」
「わかりました」
命令が次々と下される。それに従いウィル=ウィプスは戦場を退いていく。
「逃がすか!」
マサキとショウはそれを追おうとする。だがそれをバーンのレプラカーンが阻む。
「ここは行かせぬ!」
「クッ!」
ガラリアも来た。彼等は二人でショウ達の追撃を阻んだ。
その間にドレイク達は戦場を離脱する。それを見届けたバーンとガラリアも動いた。
「よし」
彼等も戦場を離脱しにかかった。全速力でショウ達を引き離そうとする。
バーンはそれに成功した。だがガラリアのバストールは一瞬遅れた。そしてその遅れが命取りとなった。
「甘いんだよ、そこがっ!」
トッドはそれを見逃さなかった。オーラショットを放った。
「グッ!」
それはバストールの腹を直撃した。それを受けて地面に落ちていく。
「やったか!?」
だが爆発はなかった。バストールはそのまま大地に沈んでいた。
「ガラリア、しくじったな」
バーンはそれを冷淡に見ているだけであった。彼は既に戦場を離脱し、ウィル=ウィプスに帰還しようとしていた。
「だがいい。私にとってはどうでもいいことだ」
彼にとってガラリアは出世のライバルであった。しかもショウを狙ううえでも同じであり、そこでもライバルであったのだ。言うならば同じ陣営に属する敵同士であった。
彼は何もなかったように着艦した。そして羽を休めに入った。
戦いはラングラン軍の勝利に終わった。マサキ達は戦いが終わるとその場に着陸し、ショウ達と話し合いの場を持つことにした。
「何はともあれ久し振りだな」
「ああ」
マサキとショウは気軽にそう挨拶を交わした。
「あんた等が来るとは思わなかったぜ。どうやらあっちもかなり複雑な事情のようだな」
「恥ずかしながらな。それでまた出されたわけだ」
「あっちは何かと排他的みたいだな」
「仕方ないさ。バイストンウェルは本来戦いのない世界だったんだ。それが」
「戦いをしているということ自体が問題なのです」
シーラがここで言った。
「全てはドレイクのせいだ」
ショウはそれに応える形で吐き捨てるようにしてこう言った。
「ちょっとそれは待って」
だがここでマーベルが口を挟んだ。
「今までは私もそう思っていたけれど」
「違うのか!?」
「ええ。確かにドレイクも問題よ。けれど」
「けれど!?」
「あのルーザ=ルフトの方が問題じゃないかしら
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