第四話 聖戦士
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第四話 聖戦士
王都ラングランを解放したラングラン軍はまずそこで戦力を再編成した後軍の主力を東に向けることとなった。当然ながらその基幹戦力は魔装機であった。
「また出番か」
タダナオは上機嫌でジェイファーを見上げていた。
「嬉しそうね」
隣にいるリューネが問う。
「何かピクニックに行くみたいじゃない」
「そういうわけでもないさ」
彼はそれを聞いて苦笑いを浮かべた。
「ただこの機体に乗るのが楽しくてな」
「楽しいの?」
「ああ」
彼は答えた。
「やっぱりロボットに乗るのはいい。昔からな」
「連邦軍にいた時から」
「そうだな。あの時からその時が一番楽しかった」
語るその目がにこやかなものとなっていた。
「いつも張り合っていたしな」
「張り合った?」
リューネはその言葉に反応した。
「連れがいてな」
タダナオはそれに答えた。
「ガキの頃からの。そいつとは士官学校でも連邦軍でも一緒だった」
「そうだったんだ」
「そいつとは部隊も同じだった。それでいつも競争していたんだ」
「つまりライバルね」
「そういうことになるな。だが決して仲は悪くなかった。喧嘩はよくしたがな」
「親友ってところかあ」
「そうだな。そうかも知れない」
語るタダナオの目が温かいものとなっていた。
「今連邦軍にいるだろうな。どうしているやら」
「案外ここにいたりして」
「まさか」
それを聞いて苦笑いに戻らざるを得なかった。
「それはないさ、絶対にな。今も俺が帰るのを待っているだろうな」
「ふうん」
「何せ俺には借りがあるからな、あいつは」
「借り!?」
「ああ。喧嘩で勝ったんだ。ここに来る前の日にな。それだ。次の日俺をぶちのめしてやるって言っていたんだ」
「喧嘩の理由は!?」
「大したことはないさ」
そう前置きした。
「アイドルのことでな」
「アイドル!?」
「そう、リン=ミンメイとミレーヌ=ジーナスどっちが可愛いかってな」
「・・・・・・何か下らない理由で喧嘩してるね」
いささか呆れた声であった。
「あんた達」
「馬鹿を言え」
タダナオは語気を少し荒わげた。
「俺にとっては重要なことだ。ミンメイの方が可愛いに決まっている」
「まあミンメイのことは知らないわけじゃないけれど」
「そうなのか」
「マクロスにもいたことがあるからね」
「先の戦争でか」
「ああ。確かに可愛いね」
「そうだろう。だがあいつはミンメイを年増だと言ったんだ。ミレーヌの方がいいと」
「ミレーヌのことは知らないけれど」
「そうか。けれどまだ小さな女の子でな。あいつは若い方がいいと言うんだ」
「好みだからね」
「それで俺は言ってやった。女は大人になっ
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