第十六話 最後の戦士その十
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そしてだ。それは敵達も同じであった。彼等も口々に言うのだった。
「我等もだ」
「是非鯉を食したいものだ」
「できれば。他には鯰も見たいわね」
こんな意見も出ていた。
「琵琶湖には物凄く大きな鯰がいるらしいな」
「ああ、その様だな」
「一メートルはあるとか」
「ビワコオオナマズですね」
お魚博士がここで言ってきた。
「それですね」
「ビワコオオナマズって」
「そんなお魚もいるんですか」
「はい、実際に一メートルはありまして」
お魚博士は戦隊の面々にもこのことを話す。
「かなり大きいですよ。琵琶湖の名物の一つです」
「へえ、そうだったんだ」
「そんな大きな鯰もいるんだ」
皆そのことを聞いてあらためて納得した顔で頷いた。
「そういえば鯰も食べられるらしいけれど」
「あれっ、そうなの」
「鯰って食べられるの」
「しかも美味しいの」
それを聞いてだった。誰もが鯰の話になった。
「あっさりとして美味しいですよ」
お魚博士の言葉である。
「これがね。食べやすいんですよ」
「へえ、そうなんですか」
「鯰って美味しいんですか」
「そうだったんですか」
これを聞いてあらためて驚く一同だった。
「それなら一度鯰も食べてみたいわね」
「そうだよね。美味いんならな」
「しかもあっさりって」
皆鯰にも関心を寄せる。しかしであった。
彼等はまたパルジファルに対して言うのだった。
「そういうことで一日だけ」
「ちょっと御願いします」
「仕方ないな」
しかもであった。パルジファルもそのことを認める。意外と寛容な王である。
そうしてだ。また言う彼であった。
「では一日だ。その間楽しんでくれ」
「よし、じゃあ神戸の中華街に行く前に」
「まずは鯉尽くし」
「楽しみだな」
敵も味方も食べる気満々だった。そうしてだ。
彼等はそのまま滋賀に残った。実際にある店に入った。
そこは和風のお店だった。完全な木造であり襖や墨で書かれた文字がある。そこに敵も味方も入ってそのうえでその鯉料理を口にするのだった。
奥の広い部屋に案内されてだ。食べる料理は。
「おお、美味いな」
「そうよね」
「噂以上に」
鯉の刺身に鯉こくに揚げたものに餡をかけたものとだ。他には唐揚げもある。恋のほかには豆腐もあり実に豪勢な食卓であった。
味噌汁を飲んでもだ。満足する彼等だった。
「いや、これ美味いな」
「まさかここまで美味いよな」
「そうよね」
幾つもつなげられた席に敵と味方別れて座ってそのうえで食べている。誰もが箸を素早く動かし食べていく。その表情は満足しているものだった。
その中でだ。アクマロとシタリが楽しげに言うのであった。
「美味ですなあ」
「全くじゃ」
彼等も満足
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