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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
12.開発衛士との戦いU
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12.開発衛士との戦いU

巧side

「パンサー12よりパンサー1、進言したいことがあります。」
 城井中尉との一件以来、訓練で進言したことは無かったけどこれは言ってい置いた方がいい。最終的には隊長が判断することだしな。
『何だパンサー12。お前からそういうことを言われるのは久しぶりだな。』
「はっ、敵の動きについてですが…」
 隊長に俺の考えを聞いてもらう。敵が少数で当たる根拠が機体の性能差にあるんだとしたら、まずはそれを把握しなくてはならない。攻撃的な陣形で当たるのではなく、防衛を主体とし障害物を積極的に活用することで相手の能力を推し量る。大したことがなければ計画通り包囲することを目指す。相手の能力がこちらの予想を上回っていた場合は何らかの方法で敵から逃れて立て直す。安全策がいつも最善とは限らないが、相手がこちらの想定内の力量なら他の中隊では問題なく撃破できるだろうし、俺の予想が外れても大隊としてはプラマイゼロだ。
『ふむ、しかしその方法だと味方への援護には行けんな。』
「隊長は『実戦と同じように死ぬ気で』と仰いました。であるなら未知の敵に対して慎重に闘うのは間違った選択ではないと考えます。」
『なるほどな……良く言ってくれたな遠田。城井に色々言われた様だがお前はそれで良い。これからも思ったことは迷わず発言しろ。』
「了解です。」
 これで良いか……。確かに最近は俺らしくなかったかもな。別に型にはまらない男を気取っている訳じゃないが、能力に見合った方法を確実にこなすというスタンスは崩しちゃいけないものだ。周りの意図や自身の意思がどうであれSES計画で培われた力は俺の一部。否定することはできない…。まだ自分の内から出てくる意思というのは分らないが出来るところからやっていかないとな。

巧side out



ラビット9side

 演習が始まってからというもの静音装置を切って跳躍ユニットを吹かし移動している。ジャップ共の貧弱なレーダーでもこちらを感知していることだろう。こちらのレーダーでも奴らのF-4もどきの位置は把握している。どうやら罠とも知らずに戦力を分散させているようだ。所詮は黄色い猿。自分たちの方が数が多いと見て安心しきっているらしい。
 そもそも俺は帝国の基地に来てからというもの日本人というのが嫌いだ。別に帝国そのものに恨みはないが、帝国軍衛士たちの思い上がりにはいつもムカついていた。やつらはBETAとの戦闘経験があるというだけで俺らを見下していた。金持ちの後方国家で対人訓練ばかりで実戦を知らないと言い、さも自分達だけが戦士であるかのように。確かに奴らは経験豊富で、その力量は侮れない。だが所詮は未だにF-4もどきが主力の時代遅れの軍であり、合同演習も俺たちの方が勝ち越している。それでも奴らは『戦
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