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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
12.開発衛士との戦いU
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に外れる。そしてビルに隠れると相手は120mmでこちらをあぶり出しに来た。JIVESのシステム上ではコンクリートの破片もダメージ判定になるので馬鹿には出来ない。
「3カウントで援護射撃をお願いします。3、2、1、今!」
『パンサー1、フォックス1!』
『パンサー5、フォックス1!』
『パンサー11、フォックス1!』
援護射撃によって36mmの道ができる。そこを全速力で突っ込んでいく。作戦がうまくいけば止まることは考えなくていい。長刀は盾であり囮。本命は短刀だ。長刀を前に持っていき敵の射線を見極める。僅かでも射角を見誤ればコックピットに直撃し大破だ。
「ぐぁっ!」
 どうやら上手くいったようで何とか敵の120mmを防げた。JIVESで確実に表現された衝撃が強化装備を通してフィードバックされる。交通事故にあったかのような衝撃。そして右主腕のマニュピレーターが小破し使えなくなる。他にも砕け散った長刀や120mm弾頭の破片で頭部センサー類や主脚関節部などが無視できないダメージを負う。だが本命の左は健在だ。
「うおぉぉ!届けぇ!!!」
 別に大声を出したからと言って戦術機のパフォーマンスは変わらないが、気合いを出さざるを得ない。今こそ敵に一矢報いる最大のチャンスなのだから。
 複椀の短刀を引き抜き、慣性の勢いをそのままぶつける様に相手に突き出す。
『ラビット9、コックピット大破。戦闘不能。』
 CPの平坦な声が賭けの勝利を告げていた。

巧side out



 日米合同演習は帝国の完敗に終わった。米軍の損害はパンサーズが撃墜した二機のみ。そしてパンサーズも奇襲に成功したものの、それによって巧と城井の機体が動けない状態になり、米軍の援軍によって呆気なく殲滅された。撃墜比1:18という歴史的な大敗であった。
 しかし一方で米軍はこの結果を憎々しく思っていた。確かに圧倒的な勝利であるが、パンサーズとC小隊の戦いは実質パンサーズの勝利だった。これは米軍の新型の性能は『撃震よりも圧倒的に優れているが、連携によってカバーできるレベル』と認知されたということだ。それでは当初の目的を果たしたとは言えない。
 つまり今回の合同演習の結果は数字上はともかく、両軍の内実を見れば痛み分けという結果に終わったのであった。


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