第十六話 最後の戦士その七
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「仲代先生、また一緒に戦いましょう」
「生き返ったのも運命だ」
まずは凌駕と幸人が彼に言う。
「あの時は一度だけでしたけれど」
「これからは違う」
「そうよ、折角また会えたんだから」
「ですからここで」
らんるとアスカも言うのだった。
「仲代さんさえよかったら」
「また、共に」
「いや、だが」
壬琴は彼等のその言葉を聞いてもだ。苦い顔だった。そしてその苦い顔で言うのだった。
「俺は。かつては」
「かつてか」
パルジファルが彼に対して言う。
「かつてだというのだな」
「かつて多くの罪を犯してきた」
俯いての言葉だった。
「俺は。それが」
「ならば戦うのだ」
これがパルジファルの彼への言葉だった。
「尚更だ。戦うのだ」
「尚更だというのか」
「そうだ、戦うのだ」
また言う彼だった。
「いいな、戦うのだ」
「罪があるからこそさ」
「罪は償うもの」
神に仕える者として相応しい言葉だった。言葉には謹厳さまである。
「ならば余計にだ」
「戦うべきか」
「そうだ、戦うのだ」
また言う彼だった。
「わかったな、それではだ」
「俺は戦うべきだ」
「そうだ、どうするのだ」
また彼に言った。
「罪を償うつもりならば戦うことだ」
「そしてこの世を救えというのか」
「まあとりあえず私達は別に何もしないけれどね」
「この世界にはね」
フラビージョとウェンディーヌが世界を滅ぼすとかそういったことは否定してみせた。
「あくまで私達の国を築きたいだけだし」
「はっきり言って人類がどうとか世界がどうとかはね」
どうでもいいというのである。
「そんなことはね」
「いいから」
「その為に聖杯の力が欲しい」
「そういうことだしね」
今言ったのはヤバイバとツエツエだった。
「その為にちょっと借りるだけだしな」
「聖杯をね」
「それはわかっている」
それに応えて述べるパルジファルだった。
「それについてはだ」
「それなら少し貸してくれよ」
「是非共ね」
「その為には見せてみるのだ」
パルジファルは彼等にも試練を与えようとしている。
「全てはそれからだ」
「それからですか」
「まずはそれなんですね」
「そうだ、それからだ」
また言うパルジファルだった。
「私はそれに相応しいものに貸し与える」
「言っておくけれど絶対に返すからね」
シズカはそれは保障した。
「ちゃんとね。何か返さないと世界規模でやばいみたいだし」
「それはその通りなんですよ、これが」
先生がこのことを話す。
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